ー 7月3日 ー
友人の結婚式から帰って来たアナリッサに、今日は車で観光に連れて行ってもらうことに。
今日向かうのは皇帝や貴族の別荘地として利用されていた「TIVOLI」。
公共の交通機関で行くにはなかなか厄介な場所なのでありがたい。
TIVOLIへは車で約1時間。
車の中では色々な話をしていたが、面白かったのは言語の話。
アナリッサは現在大学院生で、(国際コミュニケーション?)のドクターコース。
日頃色々な国の人達とコミュニケーションをとっている。
今まで旅をしてきて音として聞き取りやすいのはスペイン語とイタリア語だった。
なんとなく単語も近い。
発音も単語も近いことからこの二つの言語は似ていると思っていたのだが、
アナリッサの話によるとどうも違うらしい。
イタリア語とスペイン語はそんなに似ていないし、
イタリア語と似ているのはフランス語だと言う。
これにはちょっと驚いた。
フランス語なんてシュワシュワ言ってて相当聞き取りづらい言語。
単純にどの言葉にも似ていないと思っていた。
元々フランス語から派生したイタリア語は文法などがほとんど同じらしい。
TIVOLIに到着しまず向かったのは古代ローマ帝国の皇帝だったハドリアヌスの別荘。
広大な敷地に巨大な建物、美しい池。
全てがきれいに残されているわけではないが、その贅沢な生活を感じるには十分だった。
お次ぎに向かうのはエステ家の別荘。
広い庭園には全18種類の噴水があり、噴水は川の水圧を利用して水を噴き出させるという
画期的な技術を使っていたらしい。
その前にTIVOLIの街でランチタイム。
イタリア人同士なのに客引きにアナリッサが英語で話しかけられることが面白かった。
とりあえず値段もあまり高くなく美味しそうなレストランへ。
イタリア語でウェイターとやり取りしながら注文しているアナリッサは心強かった。
そしてここで食べたアマトリチャーナとリゾットが絶品。
たまにハズレのレストランもあるが、
ここは日本のイタリアンと本場のイタリアンの違いを感じるレストランだった。
ランチを食べ終わると早速エステ家の別荘へ。
美しい装飾で飾られた豪邸も凄かったのだが、庭園を彩る数々の噴水が美しかった。
とくに好きだったのは上下合計百もの噴水が流れる百の噴水。
下から上に吹き出す形ではないが百の噴水が横一列に並んでいる姿がきれいだった。
あとは巨大な噴水や定時になると音を奏でる噴水など、
一通り見て家へと戻った。
家に帰ると軽く休憩し、夜8時から一緒に夕食タイム。
弟のフランチェスコと彼女のフランチェスカも一緒に食べれることになった。
彼女の名前が一文字違いなのが面白い。
夕食に行くお店は、俺がパスタでカッチョエペペが好きだと言ったことから決定した。
(カッチョエペペはカルボナーラの卵を使わないバージョン)
フランチェスコもこのパスタが好きらしく、
カッチョエペペを食べるならローマではここが一番うまい。
ということは世界で一番うまいんだ、と連れて来てくれたお店の名前は「CACIO E PEPE」。
まさにパスタの名前がそのまま店の名前になっていた。
夜9時頃に到着するとテラス席は満席状態。
しかも始まったばかりの人が多い感じだった。
やはりイタリア人の夕食の時間は遅いらしい。
店内は厨房のみなので、メニューを見ながら少し待つことに。
見るとパスタのメニューはカッチョエペペとカルボナーラのみだった。
二つしかないところが既にうまい感じを出している。
ちょっとして席が空くとすぐにワインとパスタを注文。
ワインを飲みながら会話も盛り上がった。
特にお酒が弱いフランチェスカは飲み過ぎてしまったらしくほろ酔い状態。
話も面白く大人っぽい雰囲気なのにまさかの高校生だった。
あとは俺も久々のほろ酔い状態でかなり楽しい夕食になった。
出てきたカッチョエペペはラーメンのような中太麺に
汁気の少ないチーズが絡んで濃厚な味だった。
これはこれですごく美味しかったのだが、
それでも家の近くのイタリアンで食べていたカッチョエペペに勝つことは出来なかった。
そのお店のマスターとは店を辞めた後に偶然深夜の中華料理店で会ったのが最後。
今頃どうしてるのかな。松本でお店を出してるといいんだけどな。
(その味をマスターしたと言う親父のカッチョエペペに期待)
夕食後はジェラート屋を目指してドライブ。
ほろ酔いの俺はみんなが喋るイタリア語をリピートしていた。
発音の良さを褒めてもらって調子に乗って続けていると
イタリア語のスラングをうまいこと言っていたらしく盛り上がるアナリッサ達。
アナリッサはなぜか発音の良くない俺の英語も一番聞き取ってくれる存在。
そしてイタリア語の発音は「耕太はイタリア語すぐ覚えられるよ」とさらに褒めてくれる。
褒めて伸ばそうとしてくれているのか、単純にうれしかった。
老後はイタリアかな。
夜11時頃に到着したジェラート屋も地元の人達で大混雑。
イタリア人は9時に夕飯、11時にジェラートという生活が染み付いているらしい。
食べる人は毎日ジェラート食べるよとアナリッサが言っていた。
おいしいジェラートを食べた後は夜景の見える広場に連れて行ってもらい夜景を堪能。
最後は「ローマの秘密」を教えてあげると人気の少ない路地裏を走り、
何もないただの広場に連れて来てくれた。
着くとうちら以外にも何人かの人影。
「そこのドアの鍵穴を覗いてみて」とフランチェスコに言われ、
鍵穴を覗くとなんとヴァチカンのサンピエトロ大聖堂のクーポラだけがすっぽりハマっていた。
面白い。これは全て計算して作らないと不可能な見え方だ。
聞くとどうやら建築家が計算してこのドアを作ったらしい。
まさにこれは地元の人しか知らない名所。
色々自分たちでは行けない所に連れて行ってもらってホントに楽しい一日だった。
ナイスローマ。
帰りは夜のライトアップされたコロッセオを見ながら家路に着いた。
コロッセオに空いている無数の穴は元々大理石で覆われていた場所で、
それを建物に使うために全て剥がされた跡なんだ、
と建築を学ぶフランチェスコが教えてくれた。
それでは写真のハイライトで。
ハドリアヌスの別荘
エステ家の別荘
ディナー&ジェラート
ローマの秘密と夜のコロッセオ
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