2012/08/23

This is typical





ー 789日 ー
78日、
今日は気になっていて行っていなかった現代美術館へ。
(美術館の詳細は世界の美術館巡りで)

バスとトラムを乗り継ぎたどり着いた現代美術館。
入り口を抜けるとすぐ目の前にあるひび割れた鏡の床は
最初踏んで良いものかどうか戸惑った。
中に入ると現代美術館だけあり、大半はモダンアート。
かつてない程監視員のいないこの美術館は、
ちょうど特別展がアンディー・ウォーホルだったこともあり、
うちらとしては大満足の内容だった。

夕飯はカバリーニ家にお邪魔して、お父さんお手製のパスタ。
インターホンを鳴らすと陽気なお母さんが出迎えてくれた。

10年前にちぃがここで泊まった時の写真などを見ながら団欒していると、
お父さん自慢のパスタも出来上がりディナータイム。
食卓にはパスタ、パン、チーズ、ワインなどがにぎやかに並んでいた。

お父さんお手製のパスタはムール貝とチーズのパスタ。
これが今まで食べたどのチーズ系のパスタよりも美味しかった。
使っているチーズはペコリーノロマーノ。
ローマのティピカル(伝統的)なチーズらしい。
ワインもティピカルならチーズもオリーブオイルもパンもティピカル。
パンはフランスには勝てないかもしれないけど、それ以外はイタリアが一番だ、
と、とにかく嬉しそうに「This is typical」と言いながら教えてくれた。

本当にイタリア人の料理への愛は深い。
そして何を挙げてもローマが一番だと信じている。
自分の国をハンパなく愛しているイタリア人。

ここまで愛国心が強いことが少し不思議でもあり羨ましくもあった。
どこの料理が一番うまいか、と聞かれれば間違いなく「日本」と答えるが、
愛国心があるかと言われればそうでもない。
まぁ高円寺は大好きだけど。

パスタの後はこれまたティピカルな「生ハムメロン」タイム。
家庭で持っていることが不思議なくらい巨大な機械で、
一枚一枚生ハムをスライスしていく。
生ハムマシーンに興味を示すと、寡黙なお父さんが「ついて来なさい」
とうれしそうにマシーンを見せてくれた。

「ここで厚さを調整できるんだ」
と、ちょっと英語は聞き取りづらいが自慢げに目の前で生ハムをスライスしてくれる。
マシーンがあることもすごいし、店にあるようなデカい生ハムが普通に置いてあるのもすごい。
どうやらこれもローマではティピカルらしい。
普段「生ハムメロン」なんて食べることもないが、
さすが本場の「生ハムメロン」は美味しかった。

とにかく生ハムの絶妙な塩味がたまらなくうまい。
それにメロンの甘さが合うのが不思議だ。

生ハムメロンタイムの後はコーヒータイム。
これまたお店に置いてあるようなドデカイエスプレッソマシーンでコーヒーを淹れてくれた。
どうやらこのマシーンもティピカルらしく、
「ついて来なさい」と嬉しそうに自慢してくれた。

ワインでいい感じになり、最後はこれまたティピカルなグラッパと
アナリッサお手製のティラミスでディナーを締めた。
アップルの香りが強いグラッパ。
喉がカッと熱くなるがアップルの香りがそれ以上に口に残っておいしかった。

そして本日最後のティピカルがアルコール度数の高いハーブのお酒。
これまた「ついて来なさい」とうれしそうに説明してくれたが、
これだけはどうも苦手な味だった。

ハーブ酒を飲んだところで時間も遅いので今日はお開き。
来年はクーラーを付けておくからまた来年も来てねと、
ご両親もとにかく優しかった。

カバリーニ家本当にありがとうございました、
そしてごちそうさまでした。


79日、
今日は郵便局から前半の旅最後の荷物を送る日。
そしてローマ滞在最終日だ。

アナリッサが午前中予定がなかったこともあり、
近くの郵便局まで一緒について来てくれた。
郵便局に着くと荷物を詰め込む以外は全てアナリッサ頼み。
予想以上に長い会話を繰り広げる郵便局員とアナリッサ。
隣では全く分からないイタリア語が行き交っている。
地元の人しか来ないであろう郵便局は英語も通じそうにない。

アナリッサがいてくれてホントに助かった。

なんやかんや全てアナリッサに助けてもらい無事最後の荷物を発送完了。
英語とイタリア語が出来るとはホントに頼もしすぎる。

郵便局を終えた後はアナリッサと別れ、
バスとトラムを乗り継いでサンタンジェロ城へと向かった。

最寄駅に着くとすでにテンションがハンパなく低いちぃ。
今日も暑すぎる気温に完全にダウンしていた。
こんな時はもはや観光する力もないので、サンタンジェロ城の外観だけパッと眺めると、
すぐに近くのカフェへと入った。
冷たいシェイクを飲み徐々に回復を見せるちぃ。

飲み終えると、すぐに家へと戻った。

ローマ最後の夕飯はアナリッサとアナリッサお気に入りのピザ屋へ。

美味しい料理にテンションが上がる三人。
楽しくピザを食べていると、急にアナリッサの顔が驚きと共に暗くなった。
動揺を隠せないアナリッサ。

「Oh my god !!!」

アナリッサの異変の原因は斜め向かいの席に座っていた女性。
なんとアナリッサが最も嫌いな高校時代の先生らしい。

「I hate her!!!」

どうやら信じられないくらいその先生が嫌いなアナリッサ。
二度と会いたくなかった高校時代の先生に、
まさかこんなところで卒業以来初めて顔を見ることになってしまうとは。
あまりの事態に母親に電話をかけ出すアナリッサ。

その先生を見つけた後は食事にも集中できない感じだった。
あの優しいアナリッサがここまで人を嫌うのも意外だったが、
向こうがこちらに気付かないまま食事を終えられたのが良かった。

(肝心のピザは、ナポリの方がやはり美味しかった。)

夕食の後はお決まりのジェラートタイム。
ここではついにアナリッサの彼氏とも会うことができた。


それでは写真のハイライトで。







カバリーニ家ディナー


アナリッサへのお礼手紙



サンタンジェロ城









アナリッサディナー&ジェラート

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