2012/07/29

世界遺産の洞窟住居群




ー 6月27~28日 ー
6月27日、
今までで一番延泊したいと強く思った場所。
バカンス感を存分に味わえたカプリ島とも今日でお別れ。
そして海パン生活ともおさらばだ。

後ろ髪を引かれる思いで宿をチェックアウトすると、
フェリーでナポリへと戻り、あらかじめ予約しておいた長距離バスでバーリへと向かう。
長距離バスと言っても午後2時にナポリを出発しバーリに到着するのは午後5時。
乗車時間はたった3時間。

結局「ナポリを見てから死ね」という言葉の意味はイマイチ分からなかった。
もともと滞在期間も短いしほとんど観光出来ていないこともあるかもしれない。
ただピッツァはうまいし、ナポリのいい人はとびきりいい人だった。
そして何よりカプリ島に近い。
「ナポリを見てから死ね」というより「カプリを見てから死ね」の方がしっくりくるかな。
(最近では「ナポリが死ぬ前に見ておけ」とさえ言われているらしい。)

短かったナポリを後にしバスへと乗り込む。
イタリアのバスだから適当かと思っていたら、
ちゃんと機械を使って人数管理してるし、出発時間もほぼ定時だった。
イタリアらしい所と言えばひたすら喋り続けていた運転手。
一番前に座っている、おそらく切符のないまま無理矢理乗り込めたカップルと
3時間休むことなく喋り続けていた。
さすが話好き。

田園風景を臨みながらきっちり3時間で到着したバーリ。
駅前はなぜかハワイのようなリゾート感を出していたが、あとはあまり何もない街だ。
なぜバーリに来たかというと他に目的があった。
目的はバーリ近郊にある二つの世界遺産の観光地。
一つは、白い壁に円錐形の屋根を持つ
「トゥルッリ」と呼ばれる家々が点在している「アルベロベッロ」。
もう一つは、渓谷斜面に造られた洞窟住居群。
先史時代から戦後まで貧しい人々が暮らした歴史を持つ「マテーラ」。

バーリにはこの二つの観光拠点として2泊する予定だ。

とりあえず今日の宿をチェックインすると、夕方5時過ぎから市内観光。
まずはショップが建ち並ぶメインストリートを通って旧市街へ。
高級ブランドなどが並ぶもどこか廃れた感じのメインストリート。
観光客も少なく治安があまりよくないせいか雰囲気も少し悪かった。

メインストリートを抜けたどり着いた旧市街。
入った途端に人気が急になくなった。
まさかこんなにも人がいないとは。
時折地元の人達が歩いてはいるが観光客はほぼ皆無。
オンシーズンともなれば少しは違うのだろうか。

夜遅くなると治安も悪くなりそうなので
足早にカテドラーレ、スヴェーヴォ・ディ・バーリ城(外観だけ)を見て駅へと戻った。

夕食は近くの安い店で食べて今日は終了。


6月28日、
明日は移動日のため観光出来る時間が少ないので、
今日は時間のかかりそうな「マテーラ」へ行くことにした。

マテーラまでは私鉄に乗り約1時間半。
路線毎に微妙に場所が分かれていて探すのに少し苦労した。

地下にあるマテーラの駅を出ると目の前がなぜか遊園地。
それも準備中。
何かのお祭りに合わせて駅に臨時の遊園地を作っているのだろうか。
それにしては凝った造りだった。

駅からは徒歩で洞窟住居群がある旧市街「サッソ地区」へ。
あまり人気がないのか観光客も少なければインフォメーションもほぼなかった。
全く観光地化されていないマテーラ。

最初にたどり着いた場所はちょうどビューポイントでもある展望台。

見渡すと白っちゃけたレンガで造られた素朴な家が斜面の中をぎっしりと埋め尽くしていた。
奥の方には崖が広がり所々穴が空けられている。
どうやらかつてはそこで暮らしていたようだ。
現在は無人の居住地も多いが、厳しい生活が伝わってくる。

中に足を踏み入れる前にとりあえずは腹ごしらえ。
ちぃがあらかじめチェックしていたレストランに入ってみた。
お店の名前は「Ristorante Rivelli」。
岩をくり抜いて造ったような形の内装が落ち着いた照明と合っていてオシャレだった。
注文したペンネもそこそこ安くておいしい。
ただパスタのメニューが注文するやつほとんど品切れで、
むしろあるやつだけ先に教えて欲しいくらいだった。

お腹を満たしたところでサッソ地区の中へ。
目印になるものが見つからず迷路のような街。
家の形もほとんど似ていれば色も全く一緒。
目指していたのは岩をくり抜いて造られた「サンタ・マリア・デ・イドリス教会」だったのだが、
何となくで進んでも全く見つからなかった。
地元の道を聞いたり、たまに見かける標識を頼りにしたり、
猛暑の中を歩き回ること約2時間。
遠回りに遠回りを重ねなんとか教会までたどり着くことができた。

サッソ地区の中でも小高い山の頂上にあり存在感のある洞窟教会。
中はこれといって見所もなかったが、異様に涼しい空間が気持ちよかった。

教会を見た後は再び猛暑の中を引き返し駅まで戻った。

結局全てに費やした時間は移動時間も含めて約7時間。
明日の移動前にちょっと観光するにはとてもじゃないけど無理な場所だった。

夕飯は我らがバーガーキングさん。

悪戦苦闘の末明日の列車のバウチャーを宿の受付でプリントしてもらい今日は終了。

明日は午前中からアルベロベッロを観光し、
午後6時の列車でローマへと向かう。


それでは写真のハイライトで。






バーリ旧市街






カテドラーレ





スヴェーヴォ・ディ・バーリ城(外観のみ)





Ristorante Rivelli







サッソ地区




サンタ・マリア・デ・イドリス教会

青の洞窟





ー 626日 ー
朝食はオーシャンビューのホテルのレストランからスタート。
毎日焼いているフォンダンショコラとクロワッサンを皿に取っていると、
ニコラが笑顔でカプチーノ?と聞いてきた。
笑顔でYesと答えて海際の席に座り朝食タイム。
こんな優雅な朝食はイースター島以来だ。
景色を見ながら朝食を食べているだけで気持ちが良い。
それにニコラが淹れてくれるカプチーノがとても美味しかった。

今日のメインイベントはとりあえず朝一で向かう予定のGROTTA AZZURRA。
どうやら午前中の日の光が最もキレイに見えるらしい。
朝食を終えると奥さんに
GROTTA AZZURRAに今日入れるかどうか聞いてみた。
というのもネットで調べると、
青の洞窟は入り口が狭いために波がある日はどうやらクローズしてしまうらしい。
大体入れる確率は三分の一くらい。
まぁ、三分の一もあれば多分大丈夫かなと思いつつも、心配なので尋ねてみると、
「えっ、入れるよ」と何も考えることなく答えてくれた。

あれ、そんな簡単なんだ。

まるで入れるのが当たり前のような言い方。
心配していたうちらがバカに思えるくらいだった。
もしかしたらこの時期は比較的入りやすいのかな。

奥さんの言うことを信じてとりあえず青の洞窟へと向かううちら。

青の洞窟へは港から直接船で行き、そこから小舟に乗り換えて行く行き方もあるが、
今回うちらが行った行き方は違う行き方。
港に戻るのもめんどくさいし、何より船の上で待機するのが嫌だったので、
カプリ→バスでアナカプリ→バスで青の洞窟入り口
という行き方にした。
こっちの方が青の洞窟のすぐ上まで行けるので船の上で待機しなくて済む。
船酔いが心配されるうちらにはもってこいの行き方だった。

バスを乗り継ぎたどり着いた青の洞窟。
階段を下りると待機場所はまさに青の洞窟の真横だった。
海の上には洞窟入りの順番待ちをしている大量の小舟。
見ると結構揺れている。こっちから来て良かった。
洞窟の入り口に目をやると確かに狭い入り口。
洞窟内に入る時は寝る様に身を倒して入っていた。
これは波がある日にクローズするのもうなずける。

階段で順番待ちすること約10分。
思ったよりも早く順番が回ってきた。
漕ぎ手の威勢のいい兄ちゃんがどこから来たの?とか聞きながら場所を指定して乗せてくれる。
この小舟に乗ったのはうちらと外人の女の子二人の計4人。
うちらが日本人と分かると早くも「チップは一人20€よろしくね」とふっかけてきた。
さすが日本人に人気の観光名所。
結構みんないっぱいチップ払ってんだろうな。

青の洞窟への入場料は海の上で済ませるシステムになっていて、
入場料は一人15€?。(記憶が曖昧)
会計用の船に行き漕ぎ手の兄ちゃんに50€渡すとお釣りの20€を
「Thank you、Thank you」とそのまま自分のポケットにしまおうとしていた。
「No,No,No」とお釣りは返してもらい、そのまま青の洞窟の中へ。

寝るように態勢を低くし中に入っても、チェーンが顔に当たりそうな程近かった。
やっぱり高さギリギリの入り口。
中に入った所で態勢を起こし入り口に目をやると青い光が目に入った。

ただでさえ青い海がコバルトブルーに輝いている。
印刷では絶対出せないような青の世界。
高過ぎる彩度はもはやRGBの色に近かった。
もう海なのかなんなのか分からないくらいそこに浮いているのが不思議な感覚。

洞窟内には漕ぎ手達が歌う歌が響き渡り、
かつての王がここをプールにしていたとか説明してくれながら回ってくれる。
あっという間に一周し終わると「サービスでもう一周」と言ってもう一周してくれた。
多分毎回そう言って2周してるんだろうけど。

2周し十分堪能できた青の洞窟。
青く光り輝く海はホントに美しかった。
後悔しないよう行っておいてホントに良かった。

残るは最後のチップ問題。
もちろん一人20€ずつ払う気はさらさらないので
船の下り際にチップとして5€札を2枚渡したら、
色が似ているためか20€札を2枚もらったと勘違いして喜んでくれた。
ナイス。

青の洞窟を堪能した後はバスでアナカプリへと戻りランチタイム。
パニーニを食べてプラプラ散策した後はロープウェイに乗り眺めのいい見晴台へ。
かなりの長距離を進むロープウェイはスキー場のロープウェイと似た造り。
一人乗りの簡易的なロープウェイで足をプラプラさせながらどんどん高度を上げて行った。

地面が遠くなり開けてくる視界。
島の全景がくっきりと見える。

やっぱりロープウェイは気持ちいい。
景色がいい所で乗るロープウェイはまた格別だった。

ロープウェイからの眺めでも十分キレイなのだが、
頂上の景色もまたキレイだった。
太陽の光を反射してキラキラと輝く青い海。
断崖絶壁の島の形もまたかっこいい。
ちょうどいいサイズにちょうどいい形。
なんて絶妙な島なんだろう。
まさにバカンスを過ごすためにあるような島。
ちぃがハネムーンに行きたい場所No.1に選んでたのも十分分かる気がした。

再びロープウェイに乗りアナカプリに戻った後はまだ行っていなかった所を散策。
小さい教会に入ったり、路地裏を通ったり、残念ながらお店は昼休みで
休みのところが多かったけど、カプリよりも落ち着いていて素朴でキレイな街並のアナカプリ。
暑さにやられ歩き疲れたところで帰りのバス停を目指した。

カプリまでバスで戻ると今日も早速Raffaele Buonocoreへ。
これは一日一つは是非とも食べたい味だ。
今日は何を食べようか楽しみにして店に向かうと一切行列のない店。

まさか、、、
今日はそのまさかの定休日だった。
最悪なことに今日は火曜日。
七分の一の確率に当たってしまった、、、

仕方なく違うお店のジェラートを食べるも、ほど遠い味。
ジェラートでこんなに違いが出るとは、
一体どこでそんなに差が出るのだろうか。

お腹がすいたところで今日の夕食は広場の近くのレストランへ。
6時半に行くとまだ仕込み中だったので、開店直後の7時に再び行ってみた。
イタリアでは6時台はまだ夕食の時間ではないらしい。

注文したのはペンネアラビアータとピッツァのクワトロフォルマッジ。
ペンネアラビアータはトマトソースというより、
直でトマトと一緒に食べる感じだったが、これがホントに美味しかった。
なんでこんなにトマトが甘いのだろうか。
日本で食べるトマトとは全く違う味。
日差しの強さが関係しているのかな。

夕食後は今日も夕焼けを眺めて終了。


それでは写真のハイライトで。








青の洞窟






アナカプリ








ロープウェイと上からの景色




夕食