2012/10/05

ロミオとジュリエットじゃない方




ー 71718日 ー
 717日、今日でフィレンツェ観光も最終日。
昼は相変わらず中央市場で生ハムサンドを作ってもらい、
その後はついに冷静と情熱のあいだの舞台となったドゥオモに登る事にした。

ドゥオモに着くとなかなかの行列。
観光シーズンのせいか日本人の姿も結構多かった。
それでも進みはスムーズでそこそこ早くドゥオモの中へ。

頂上まではひたすら階段を上って行く。
しばらく登るとはぁはぁしだす前のぽっちゃり系日本人女子。
全然まだ序盤なのにすでに疲労困憊だ。
日頃運動しないことの恐ろしさを知らされると同時に、
日本に帰ってから待ち受けている阿波踊りの体力が心配になった。
コソ練はできても長時間の練習を怠っている分、確実に阿波体力が落ちているはずだ。

そんなことを考えつつとりあえず中間地点。
回廊ではクーポラの内側に描かれた天井画を間近で見る事ができる。
下から眺めるのとは迫力が全く違った。

そこから再び狭くなる道を登り頂上へ。
前のぽっちゃり系女子は完全にへばってしまった。

頂上からは見渡す限り赤茶色の屋根がびっしりと詰まっている。
複雑に連結しているように見える家並みは元々の設計なのだろうか。
昨日のシエナに続き、快晴の中見る景色はとても清々しかった。

しばらく景色を堪能した後はドゥオモを下り、街を散策。
IL BISONTEのショップは日本人観光客で溢れていた。

夜はジェノベーゼパスタを作り、
デザートは大好きなVenchiで最後の夜を締めくくった。


7月18日、
8泊したフィレンツェから列車に乗り次に向かうのは
ヴェネト州第2の都市ヴェローナ。
あのロミオとジュリエットの舞台ともなった都市だ。
元々寄る予定はなかったのだが、飛行機の機内誌でみた写真がきかっけとなった。
それはアレーナで行われる夏の野外オペラ。
なんと1世紀末に造られた古代ローマ最大の円形劇場が現在でも現役の劇場として使われている。
収容人数は2万2000人。

これは是非みたい、ということで一番安い最上階の席をネットで予約していた。
オペラ自体よりもむしろアレーナ全体を見たいうちらにとっては最高の場所。
演目はウィーンで見たバレエと同じ「ドン・キホーテ」だ。
残念ながら日程が合わず「ロミオとジュリエット」を見る事はできなかった。

フィレンツェからヴェローナまでは列車で約3時間。
昼過ぎに到着すると宿を目指すためにまずバス停へ向かった。
今回の宿で心配だったのは安い宿がなかなか見つからず、
ちょっと中心地から離れたところにホテルを取った事。
事前にネットで調べるとローカルバス以外近くを通る公共機関はなさそうだった。
しかも場所からいってどれくらいのスパンでバスが来るかも分からない。
そんなことを心配していると意外にもすんなり来たバス。
なんだ、結構運行しているバスなのかも。

とりあえずバスに乗り込み、通りの名前だけを頼りに宿を目指す。
しかしかなりジグザグに進むバス。
どうやら完全にジモティーの住宅街だけを回るバスらしい。
次第に減っていく乗客。
そして最終的には乗客はうちら二人だけ。
ホントにこのバスで合っているのだろうか。

するとバスの運転手がうちらを手招きしてきた。
合図された通り最前列に行くと、
「あの通りがそうだ、ここで降りたら奥に見えてる通りを行けばいい」(英語)
と指差しながら教えてくれた。
さすがイタリアの運転手は優しい人が多い。
「グラッツェ!!!」と言いバスを降りると、周りは完全に工場地帯。
もはや住宅街からも離れた所まで来てしまった。

ちょっと不安な気持ちになりながらもとりあえずはホテルにたどり着きチェックイン。
ホテルのバーで昼食を取り、一休憩した所で再び中心地である旧市街を目指す。

先ほど降りた場所の反対側でバスに乗ろうと時刻表を見るとまさかの表示。
なんと2,3時間に一本しか通っていなかった。
いやいやいや、さすがにそれはないわ。
ここにきてうちらの予想の遥か上をいく田舎っぷり。
行きでスムーズに拾えたのは奇跡に近かったのかもしれない。

となると大通りで他のバスに乗るしかない。
ということで違うバス停を見つけると、時刻表には白い張り紙がされていた。
どうやらここは今バスが通らないらしい。

マジか、、、、
しかも田舎過ぎて大通りはもはや歩道すらない始末。

タクシーしかないのか、、、
そう諦めかけたときに、うちらの視界を横切った一本のバス。
あれ、バスが近くに来てる。

微かに見えた希望の光。
バスが見えた方向に急いで向かうともう一つのバス停を発見する事ができた。
しかも30分に一本の割合で来る。もはやこれにかけるしかない。
きっと駅の方に向かうはずだ。

そしてやってきたバス。
運転手に駅に行くか尋ねると、答えはYES。

ナイス!!!

こうして無事にアレーナがある旧市街へ向かう事ができた。
バスを降りると早速前にアレーナの姿。
ローマのコロッセオと比べると多少小さくはあるが、
ほぼ完全な姿で残っていることが驚きだ。

オペラの開始時間は9時からなので、それまでは観光タイム。
メイン通りを散策すると、ここでもVenchiを発見してしまった。
どうやら店舗数拡大中らしい。
ベローナ限定のキウイ味を食べながらまず向かったのはあのジュリエットの家。

メイン通りを越えたどり着くと、なぜか入り口には大量のガムが貼付けられていた。
もはやベルリンの壁状態。門を越えると今度は壁にハートマークの嵐。
文字が見えなくなる程、星の数程のカップル達の名前が書かれている。
中にはあの有名なバルコニーと、触られ過ぎて剥げたジュリエットの像が立っている。

家の中までは入らず、再び街を散策。
ヴェローナはオシャレなショップも多くかわいい街並。
夕飯を済ませると、ナイスな靴屋を発見してしまった。
ディスプレイされている靴がまさにドンピシャだった。

適当にサイズを答え、片足試着し、反対の足も試着しようとすると、
「We are closing now」と言いだして来る店員。
時間を見るとジャスト7時。

マジか、、、
どこまで働かない人種なんだ、、、
大体のことは適当なのに、閉店の時間だけは確実に守ってくる所が面白い。

結局片足だけ履いた時点で買う事に即決。
買い物は早い方だが、さすがにこれは最速の買い物だった。

買い物も終わった所でオペラを見るためついにアレーナの中へ。
中央一階席には赤い絨毯が引かれ席も赤。
周りを囲む石の階段は歴史を感じさせる。
完全な形で残っているアレーナ。
これがほんとに1世紀末に造られたかと思うと信じられなかった。
こんな場所でオペラをやること自体がすでに素敵だ。

日が落ち始めると同時にみんなはロウソクに火を点し始める。
暗くなったアレーナの舞台に当たる幻想的な光とロウソクの灯火。
ついにオペラ「ドン・キホーテ」が始まった。
一番後ろの席なのに思ったよりも普通に見える舞台。
まぁ、イタリア語だし何言ってるか分からなかったけど、
とにかくこの場所にいれたことがすごく幸せな時間だった。

雰囲気だけ堪能した後はバスもないのでタクシーで宿に帰り、今日は終了。

なんと「世界の果てまでイッテQ」でも同じ日にヴェローナのオペラが
紹介されていたというから知った時は驚いた。


それでは写真のハイライトで。





ドゥオモと景色



移動中の列車で見た犬に厳しいおばちゃん






ヴェローナの街並


撮影していたから芸能人と思われる女性






ジュリエットの家







アレーナ




オペラ

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