ー 10月22日 ー
今日はパリ郊外、約40km北東のロワーズ県内にあるシャンティイ城へ。
複雑に入り組みながらも均整と調和のとれた現在の形が完成したの19世紀後半。
フランスでも指折りのコレクションを誇るコンデ美術館としても知られ、
さらにすごいのがシャンティイ競馬場がすぐ隣に広がっていることだ。
一番美しいとされるロンシャン競馬場で凱旋門賞が行われない場合は
なんとここ、シャンティイ競馬場で凱旋門賞が行われるらしい。
他にも、ここでは年に一度、「エルメス・ディアンヌ杯」というパーティーが開かれる。
みんなお洒落してピクニックをするらしいのだが、
毎年「テーマ」が変わって、そのテーマに合せて衣装を着る。
女性は「帽子」を手作りで参加したり、個性あふれる楽しい競馬パーティだそうだ。
次回は是非それに参加してみたい。
そして、シャンティーは、生クリーム発祥の地でもある。
だから、フランス語では、生クリームは「シャンティイ」と言うそうだ。
パリ北駅から列車に乗ること約30分。
人気の少ないChantilly Gouvieux駅に到着した。
駅を降りて途中にあるパン屋でサンドイッチでも買ってから行こうと思っていたのだが、
唯一見つけたお店はハンパない混み具合。
もはやいつレジにたどり着けるかも分からなかったので、
シャンティイ城内にあるレストランかお店に託すことにして歩いて城へと向かった。
森に入り、緑に囲まれた美しい道を抜けると見えてくるシャンティイ城。
ただ行き方を間違えてしまったせいか、
チケット売り場にたどり着くのにはなかなかの時間がかかってしまった。
とりあえず目当てだった馬術ショーのプレ演技が入ったチケットを購入すると、
門を越えて敷地内へ。
中に入ると、とても心地いい空間が広がっていた。
生い茂る緑に紅葉の始まった木々、小さな湖畔には城が映り込んでいる。
城の形もさることながら自然に恵まれた敷地内全体の雰囲気がとにかくきれいだった。
それに天気にも恵まれたため最高に気持ちが良い。
パリに住んでいたら、天気の良い週末に訪れたい場所ナンバーワンはここになるに違いない。
そんな景色にテンションが上がりながらも、残念ながらうちらが今一番欲しているのは食料。
昼も十分に過ぎていたのでとにかく腹が減って仕方がなかった。
というわけで景色を堪能しながらも、まず向かった先はレストラン。
馬術ショーのプレ演技の時間もあと1時間後くらいと迫っているので、
急いで向かったのだが、残念なことにレストランにあるのはコースメニューのみ。
うちらが望むような軽食類は一切取り揃えていなかった。
ガックシ肩を落とす二人。
限界まで腹が減った状態での観光続行が決定された。
腹を鳴らせながらまずは城内を巡る。
それにしても外観も内装も凝っていてシックでかっこいいシャンティイ城。
様々な様式が組み合わされて造られているからか、なんともいえない絶妙な形をしていた。
しばし空腹を忘れ頑張って散策するも、
インフォメーションに見えたレストランの文字に反応してしまううちら。
急いで階段を下り微かな希望にかけたのだが、やはりレストランはレストラン。
うちらが望む形でもなければ、うちらにはそんな時間もなかった。
駆け足で内部を見終わると急いで馬術ショーの会場へ。
会場にたどり着くと、予想以上のしっかりした造りに驚いた。
センターに置かれた大きな円形の舞台に、階段状に何段も上に広がる座席。
200人くらいは入りそうな会場は残念ながらガラガラだった。
とりあえず前の方の席に座りしばらく待っていると、
二人の女性が馬にまたがり登場。
円形の舞台をグルグルと速度を変えたり方向を変えたりしながら廻り続けた。
ひたすら馬の動きにあわせて目を動かすうちら。
乗っている女性は息継ぎする間もない程、廻りながら30分くらい延々と喋り続けている。
しかもフランス語で。
そのため何も分からないままひたすら廻る馬を眺める時間が続き、
多少芸を見せるも歓声を上げづらいレベルのクオリティー。
長いなと思いながら結局1時間近くそれが行われた。
なんだ、こんな感じでおしまいか。
そう思っていたらこれが大きな勘違い。
なんと今まで延々と行われていたのは単なるウォーミングアップだったのだ。
どうやらこれから本番が始まるらしい。
マジか。
ウォーミングアップ長過ぎでしょ。
これを挟む必要あったのかが分からないし。
そんな無駄な時間に感じてしまった後に始まった馬術ショー。
照明の演出が入り、音楽もショーによって切り替わる。
馬の技もキレを見せ始め、おー、と思う場面も増えてきた。
さっきまでのとは明らかにレベルが違うショー。
うん、ってか最初からこれだけで良かったんだけど。
ショーが終わると腹を空かせたままとりあえずバス停探し。
最寄り駅まで2kmくらいあるため、空腹のうちらはなんとかバスに乗りたかったのだが、
一向にくる気配のないバス。
20分近く待ってみたところで、さすがにしびれを切らして歩いて帰ることにした。
しばらく歩いたところで抜かれたバスに軽く後悔しながらも、
行きとは違うルートでひたすら歩いた。
途中には競馬のゲートやジョッキー達の宿舎も見ることができ、
とにかくとてつもなく広い施設。
もうどの辺を歩いているのかさえ分からなくなったがひたすら歩いた。
そして人気のなくなる道。
あるのはもう自然だけだった。
あれ、これ、もしかしたら迷子かな。
若干そんな不安がよぎるも、とにかく歩いた。
まぁ多分迷子だし、もう腹ぺこで仕方なかったけど
とにかく大通りっぽいとこを目指して歩くうちら。
やっとたどり着いた先は大量の学生達がいる謎のゾーンだった。
もはや隔離されているといってもいい場所にある学校。
観光客が来るはずもない場所にたどり着いたうちらはかなり浮いていたせいか
学生達もチラチラとこちらの様子をうかがってきた。
林間学校のようなものなのか、とりあえず発見した学食的なパン屋で
サンドイッチを購入しついに腹ごしらえ。
なんか良く分からないとこに出たけどとりあえず食料に出会えて良かった。
後は学生達の向かう先が駅に違いないと思い、
ひたすら同じ方向を歩き、なんとか駅に到着。
こんなに歩いたのは久しぶりだった。
それでは写真のハイライトで。
シャンティイ城までの道
シャンティイ城付近の景色
シャンティイ城
馬術ショー
競馬場
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