ー 10月10~11日 ー
10月10日、
朝チェックアウトする時に、お礼として
手ぬぐいとうちわをあげるとすごく喜んでくれるおじさん。
最後は一緒に写真を撮ってグラナダの「シンユー」と別れた。
さよならグラナダ!
バスに乗りバスターミナルへ着くと、南スペイン最後の街セビーリャへ。
グラナダからセビーリャまではバスで約3時間。
お昼くらいに無事宿に到着すると、荷物を置きまずはランチへ。
グラナダに比べかなり広範囲で栄えているセビーリャ。
どこもレストランやお店で賑わい、道は迷路のように入り組んでいた。
フラメンコ発祥の地だけあってフラメンコのポスターも多い。
しかし歩いてみてもランチでパニーニ、というようなお店は一切見つからなかった。
周りにあるお店は全てタパスを全面に押し出したバルばっかり。
ジモティーも観光客も昼からすでに酒をひっかけている感じだ。
うちらも仕方なく昼からバルへ。
いつもの生ハム、パエリアと
よく分からないが「サルモレホ」という新メニューに挑戦してみた。
どれも美味しかったが、
特に衝撃的だったのが「サルモレホ」。
トマトスープのガスパチョをもっとペースト状にし、
コクと旨味が追加された感じの味で、これがもうヤミツキ。
中毒性のある程よい酸味で、パンにつけても抜群にうまく、
今まで食べてきたガスパチョの比ではなかった。
これはスペインに来て久々のヒット料理。
ランチの後は世界で三番目に大きいと言われている、
セビーリャの大聖堂へ。
外観を見るだけでも確かに大きさが伝わってくる大聖堂。
全てをカメラに収めるには不可能な程巨大だった。
もちろん中の造りも壮大でいて荘厳。
部屋が細かく分かれていたり、階段なしで作られている塔は面白かった。
夜は宿の近くで食べて終了。
10月11日、
今日はまずセビーリャで一番見たかったものを見に地図を片手に散策。
セビーリャに来た最大の目的は、
大聖堂でもアルカサルでもフラメンコでもなく、
世界最大級の木造建築「Metropol Parasol」。
開発当初は地下駐車場として計画されていたらしいが、
建築途中で地下に遺跡が眠っていることが分かり、急遽予定変更。
地下は遺跡博物館、地上は市場、その上には巨大な木造建築が建てられることとなった。
何度か雑誌で目にしたことがあったのだが、それがセビーリャにあると知り、
パリへの接続もいいし、南スペインの旅のハイライトとしてこれをもってくることにした。
宿から近道で行こうとクネクネ行ってみたら案の定軽く迷子。
それでもそのお陰でローカルなカフェでカフェラテが飲めたり、面白い路地も通れたりで
なんとか目的地の近くまでたどり着くことができた。
市庁舎の先の商店街を抜けると、ついにその片鱗が見えてくる。
出た、「Metropol Parasol」。
セビーリャの市街地に突如として現れる巨大木造建築。
自然物のような不思議な曲線を描き、
何本かの太い柱に支えられ造られた巨大な木の空中庭園が抜群の存在感で建っていた。
360度見回してみてもその形を把握することは難しいくらいの複雑な形態。
周りの建築物とのギャップがまた面白かった。
ただ、木を保護するためか全体的にベージュの塗装がされていたのがうちら的には微妙だった。
もうちょっと木の質感・色味が残っていた方が面白いのに。
建築の知識がないうちらだからそう思うのかもしれないけど。
興奮気味に眺めた後は市場を廻り、
早速地下の博物館からエレベーターに乗ってMetropol Parasolの上へ。
エレベーターを降り、カフェを通り抜けると、
蛇のようにクネクネとうねった道が空中庭園の上を這っていた。
複雑な形で高低差があり、そこからの景色もまた奇麗。
この建築物の上を歩けるだけで面白いし、
もしかしたらここで見る夕焼けはさらにきれいかもしれない。
ただ今日はまだ時間も早いので、辺りをプラプラ。
ランチはまたもやちょうどいい店が見つからなかったので、
結局デパートの下のスーパーでサンドイッチを買って広場のベンチで食べた。
その後もメインストリートなどをプラプラし、今日は早めの夕飯。
セビーリャに来て以来衝撃を受けた「サルモレホ」を食べて、
夜はある場所へと向かった。
老舗のタブラオ「TABLAO Los Gallos」。
セビーリャに来たからにはどうしても本場のフラメンコを見ておきたい。
ということで、老舗のタブラオの中でも人気のあるこの場所を選び、
前日に直接タブラオに行き予約していた。
マドリッド、バルセロナときてついに本場セビーリャ。
ショーはワンドリンク付きで20~22時の2時間。
30分前にはタブラオに着き、開場が始まると同時に一番前の席に行こうとしたら、
そこは予約席だからと言われて、とりあえずその後ろに座ることにした。
団体客は受け付けないとか聴いていたがどうやらツアーでも使われるらしい。
まぁ、それでもタブラオ自体はこじんまりとしているため舞台からは近いんだけど。
ドリンクを注文し、ショーの開幕までしばし待機。
開始直前にツアー団体客が前の席に陣取ると、すぐにショーは始まった。
女性の踊り手が5人にギターが3人の歌い手が4人。
マドリッド、バルセロナと見てきて女性の踊り手でそこまで
感動する人に出会うことはなかったが、さすが本場。
ここのフラメンコはキレと迫力があってすごく良かった。
踊り手以外にもめちゃうまのギターイケメンに、
ダチョウ倶楽部の竜ちゃんにちょっと似てる歌い手の最高に渋いハスキー声。
しかも5人とも全て違うタイプのフラメンコなのが良かった。
キレキレの人や茶目っ気のある人、迫力のある人、そしてなんか怖い人。
もう怖い感じの人のフラメンコなんかは斬新すぎる動きで思わず少し笑ってしまった。
やはりキレと迫力を感じるフラメンコは熱くてかっこいい。
最後に出てきた太めの大御所はそりゃもう貫禄のフラメンコだった。
若い頃はダントツかっこ良かったんだろうな、と思う程
動きの柔らかさとキレ、美しさは抜群だった。
しかし今はお腹のお肉がそれを邪魔をしているのが残念。
若い頃の大御所に出会いたかった。
気づけばショーもあっという間に終わり、大満足の2時間。
ただ、それでも俺の中の一番はマドリッドで見たマイコーだった。
おそらくあの人を越えるフラメンコを見ることはもうないんだろうな。
それでは写真のハイライトで。
セビーリャの街並
サルモレホ(奥)とタパス
セビーリャの大聖堂
Metropol Parasol
TABLAO Los Gallos