2012/06/13

がっかり「かもめ食堂」





ー 52022日 ー
520日、
今日はヘルシンキからフェリーで20分程の距離にある「スオメンリンナ島」へ。
スオメンリンナ島はスウェーデン・ロシア戦争、クリミア戦争、フィンランド国内戦争で
重要な舞台となった海上要塞。
現在は世界遺産にも登録されている美しい島だ。

天気はいい感じの雲が残る気持ちの良い晴れ。
ここには天気がいい日に訪れたいと思っていたので、絶好の観光日和だ。
宿を出るとフェリー乗り場までトラムで向かいフェリーに乗り込む。
(トラベルカードでフェリーも無料で乗れるから便利)

真っ先に甲板の席に座ると、フェリーは出発。
そんなに混んでいないのがうれしい。
風に当たりながら順調に進むフェリー。
周りには魚を狙うカモメ達が飛んでいる。
海の上には小さな島々にも建っている民家や教会。
水や電気はどうしているのか。
どうやってここで生活しているのかが不思議な光景だった。

気づけば15分程であっという間にスオメンリンナ島に到着。

まずは今は廃校になっている軍事学校の校舎や民家、
カフェ、お土産ショップなどを巡りながら島をゆっくり散策。
腹が減ったところで茂みのベンチに座りサンドイッチランチタイムにした。

青い空に、生い茂る緑がやけに鮮やかだ。
食べていると鳥達がちょこちょこと近寄ってきたのでパンを投げると、
多少は警戒しながらもすぐ群がってくる。
所々ある防空壕のような建物に戦争の歴史も垣間見えるが、
かつて要塞だったとは思えない程ゆったりとした時間が流れているように感じた。

ランチの後はメインの砲台巡り。
小高い丘を登り海沿いを歩いて行くと、海の向こうを狙う大砲が何台も残されていた。
デコボコした地形に造られた防空壕や砲撃台。
火砲の普及後、脆弱性を補うために考えられた星形の要塞。
まさに海上要塞として機能していた形が今もきっちり残されている。
それが今はこんなにのどかな島になっているのが不思議だ。
負の遺産。
北欧にそんなイメージなんて全く持っていなかったが、
様々な国を巡る度に過去の戦争や植民地だった頃の歴史を知る機会がある。
言語だったり宗教だったり、今まで関心が薄かった分野に興味が湧いてくる。
かといってめちゃくちゃ勉強するわけでもないが、ホントに知らないことばかりだ。

なんだかんだ薄いながらも色々考え、最後は島のカフェで
アップルパイとカフェラテを飲みフェリーで戻った。

乗り場の近くで行われているマーケットをチラ見し、今日は終了。


5月21日、
今日はヘルシンキで一番楽しみにしていた「かもめ食堂」へ向かう。
映画で使用された後もそのまま街の食堂として経営されているかもめ食堂。
映画もかなり面白く、そのほとんどのシーンが撮影されていた場所なだけに
うちらの期待はかなり高まっていた。

トラムを乗り継ぎ、メイン通りからちょっと離れた場所にあるかもめ食堂。
地元色溢れる路地を歩きながら、まだかまだかとワクワクしていた。

ついに本物のかもめ食堂に到着!
窓ガラスには日本語で「かもめ食堂」と書かれている。
おー、ついに来た!
なぜか映画ではなかった外の席が造られていたが、とりあえず期待を胸に中に入る。

あれっ、、、
これ、、かもめ食堂?

無駄に飾られた店内にメインのキッチンも目に見えない所に隔離されている。
壁の色も変わり、テーブルの位置も違う。
映画でみられた素朴で上品なイメージが完全に消されていた。

全然違う。

あ~、でもこことかちょっとぽいよね、とか苦笑いするも、
完全に別モノ。

入って早々に落ちるテンション。
とりあえず料理を注文し、席に付いてもう一度よく確認してみる。

うん、やっぱ全然違うわ。

うちらの後に入ってきたかもめ食堂ツアーの人達もあまりの変わりっぷりに驚いていた。
「ちょっとだけ雰囲気変わっちゃったんですけどね~」と告げるガイド。
いや、ちょっととかじゃなくて、これもう全然違うから。

唯一映画の雰囲気を残していたのがトイレくらい。
食事が美味しかったのが救いだった。
うちら的には間違いなくガッカリスポットNo.1。

結構ショックを受けた後は、定番のヘルシンキ大聖堂を見学しデパート巡り。
デパートではあまり面白いものに出逢えなかったが、
帰りがけに見たウスペンスキー寺院の装飾がすごくキレイだった。

夜はチヂミを作って終了。


5月22日、
今日でヘルシンキも最終日。
まずはトラムを乗り継ぎ「デザイン博物館」へ。
入る前に博物館前のベンチでお決まりのサンドイッチランチタイム。
(美術館の詳細は世界の美術館巡りで)

まさかの入れ替え時期により一階の常設展以外クローズだった美術館。
今までで最短となる10分程で美術館を後にし、
次はガイドブックに載っていたアンティークマーケットへ。

トラムを乗り市場に着くと、出ていたのは数店のフリマとちょっとしたテントのカフェ。
観光客の姿はほとんどなく閑散としていた。
建物の中も予想通りのガラガラ。
出ているアンティークも微妙なものばかりで、ここも早々と終了してしまった。

これでうちらが目星をつけていた観光場所は一通り終了したので、
最後にたまった荷物を日本に送る為に郵便局へ向かうことにした。
実は日本に送るのはこれですでに4箱目。これは月一ペースで送っていることになる。
日本で売っていない本や、紙モノ、雑貨を買うとどうしてもかさばる荷物。
旅立ってから二つバックが増えてしまったが、これも食料やグッズでパンパン状態。
これは勉強・自分のため、ということで割り切って
今しかゲットできない・日本で手に入らない気に入ったモノはなるべく悔いのない様
購入しているため、どうしても持ちきれない物は送ることになってしまう。

実家にダンボールが増えてしまい、すいません。
そういうことでお許しください。

無事荷物も日本に送ったところで宿に戻ることに。
最終日なのでランドリーを済ませ、夕飯はパスタを作って終了。
気づけばフィンランドはかもめ食堂以外全て自炊で終わった。


これで北欧三ヶ国は終了。
物価が高い高いと言われている北欧だが、日本より高かったのはデンマークくらい。
スウェーデンとフィンランドでは日本とさほど変わらないように感じた。
(今が円高だからかもしれないけど)

北欧には建築と北欧デザインを求めて行ったうちら。
たまたまデンマークでは開発地区の現代的な建築を見れたり、
ストックホルム、フィンランドではTHE北欧イメージなブランド
marimekkoやiittalaなどを多く見ることがてきた。
それでも思っていた程marimekkoのようなブランドに出くわすことは少なく、
デザイン用品や面白い紙モノを扱うお店にもなかなか出会うことがなかった。
(北欧に期待し過ぎていたからかもしれない)
凝った路面店よりはデパートに入っているお店の方がいいことが多く、
特に好きだったのはお酒やお菓子、調理品、日用品等のパッケージデザイン。

一番違いを感じたのは紫とピンクがよく使われていることだ。
地下鉄や公共機関など日本ではまず使われない場所にこの色がよく使われている。
それがいやらしく見えず爽やかに見える所がどこか北欧らしかった。

今のところオシャレで面白いショップが多いのはダントツでニューヨーク。
これからの国でどんなものに出会えるのかが楽しみだ。
そしてお次の国は芸術の都ウィーンを首都とするオーストリア。
行きたい美術館が山ほどあるだけにとても期待している国だ。


それでは写真のハイライトで。












スオメンリンナ島





かもめ食堂






ヘルシンキ大聖堂



ウスペンスキー寺院


アンティークマーケット

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