2012/07/11

人形劇とムカつく駅員





ー 689日 ー
6月8日、
今日はちょっとした観光名所&ショップ巡り、
そしてチェコと言えば是非見ておきたい人形劇を夜見に行くことになっている。

今日も宿の前のトラム乗り場から出発。
すると何語か分からないが話しかけてきたアジア系のおばちゃん。
見た目からすると中国人のようだったが、うちらが日本人と分かると
英語に切り替え再び話しかけてきた。
聞くとどうやら地下鉄までの行き方が分からないらしいおばちゃん。
たまたまうちらと同じ駅を目指していたので一緒に行く事にした。

おばちゃんが行き方が分からないのも無理はない。
実は宿の前に停まる唯一のトラムが工事中により閉鎖していて
代理でバスが通る仕組みに変わっていたのだ。
しかも工事現場を越えた途中からまたトラムに乗り換えなければならない。
うちらも滞在2日目くらいに急にこのシステムに移行したことで最初戸惑ったが、
なんとか周りの状況を見て把握することができた。
だから昨日の夜着いたと言うおばちゃんが戸惑うのも当たり前。

地下鉄の駅に向かう間話をしているとホントに普通のいいおばちゃん。
旅行好きのおばちゃんはこの後ヴェネツィアに飛ぶらしい。
中国人にもやっといい印象の人に会えたと思ったら、
出身を聞くとシンガポールのおばちゃんだった。
その後もなんやかんや話しながら無事おばちゃんの目的である地下鉄まで案内した所で、
お互いの旅の幸福を祈ってお別れ。

シンガポールには後半で行く予定だから連絡先でも聞いとけばよかったな。

目的の駅に着くと、とりあえずガイドブックに載っていた
くじらカフェ(Kavarna Velryba)を求めて周辺をプラプラ。
途中、ディズプレイに展示されていた古本の装丁に惹かれ中に入ってみると、
これが当たりだった。
たまに古本屋を見かけても、状態が悪かったり微妙だったり高かったり、
とあまりいい店に出会わないのだが、ここは思わずジャケ買いしたくなる本ばかり。
しかも値段が驚く程安すぎる。
まさかの100円くらいからの品揃えで、
あまりの安さに店員さんに確認してしまう程だった。
当然ここではじっくり選んだ上で本と版画をちょっとした大人買い。

満足したところで本題のカフェ探しに戻るも、
住所と地図を頼りに探してもなかなか見つからないカフェ。
住所を探し当てても、そこは普通の家になっていた。
2006年のガイドブックのため、もう潰れていたのかもしれない。
とりあえず近くのいい感じだったカフェで昼食を済ませ、
次の目的地であるダンシング・ビルへ。

名前通りカップルがダンスを踊っているように見えるこのビルは、
周りの歴史ある建造物に混ざり異様な存在感を放っていた。

中に入る訳でもないので、外観だけ見た後はそのまま散策再開。
所々気になったオシャレなショップを巡りつつ、ミュシャ美術館へ向かった。
美術館ではよく本で見るような代表作のポスターが多く見れたが、展示スペースが小さく、
先に特別展の大きい作品を見てしまったせいか、さっくり見終わってしまった。
(詳細は世界の美術館巡りで)

美術館の後は夜から始まる人形劇の時間まで、火薬塔近くのモールで時間つぶし。
外に出ていた屋台も賑わうモールは、予想以上に巨大でオシャレ。
プラハの都会っぷりを十分に感じさせるモールだった。

夜8時から始まる劇に向け早めの夕食を済ませる。
チェコに来たからには是非見たいと思っていた人形劇。
16世紀から17世紀に伝わったこの人形劇は、
ボヘミア地方の旅芸人が都市で行われている人気の高い演劇を人形劇にして、
村や町の住民向けに公演をしたのが始まりらしい。
今日見る人形劇は国立マリオネット劇場で行われる「ドン・ジョバンニ」。
「ミノル劇場」という劇場も人気らしいのだが、
たまたま人形劇の日に当たらなかったのでこっちにすることにした。
(現代人形劇には人形が出ないものも結構あるらしい)

開演30分前に開場する劇場。
思っていたより小さい劇場は、観光客とツアーで埋め尽くされていた。
(早く行ったので、うちらは最前列をゲット)

時間になり、始まる劇。
物語の進行を務めるモーツァルトの人形が音楽と共に登場する。
人形とは思えないしなやかで愛嬌のある動き。
観客とのコミュニケーションもとにかく上手く、笑いながらの鑑賞。

基本一つの人形に一人の操者がついているのだが、舞台を左右に人形が行き来する時は
互いの人形を交換して進行していた。
さらには操者自体が演技する場面もあったり、
人形を使っている事をあえてアピールして笑いに変えるなど、
人形劇ならではの演出は面白かった。

途中一度休憩を挟むもあっという間の2時間。
随所に工夫が凝らされていて、とても面白かった。

人形劇に満足した地下鉄での帰り道。
ここで最悪な出来事が起きた。
最悪と言うかマジでムカついた出来事。
それは地下鉄を降りた後のことだった。

時間も遅かったためか、週末の帰宅ラッシュで沢山の人で混み合う通路。
そんな中、階段を上がり出口へと向かう途中に一人のおっさんが立っていた。
見るからにどこか怪しいおっさん。
人混みの中うちらも一緒に出口へと向かっていると、
うちらを見つけるやいなや一目散に駆け寄ってきた。
他の外人には一切目もくれないおっさん。
完全に怪しい。
無視して通り過ぎようとすると機械を取り出し、切符をチェックさせろと言ってくる。

えっ、駅員?

完全に怪しいけど、、、

どうやら機械は本物のようだった。
もしかしたらただのおっさんなのかもしれないが、
うちらでは分かりようがない。

切符もちゃんと刻印しているしとりあえず切符を提示すると、
機械でチェックし、納得した様子で切符を返してきた。
(切符を持ってなかったり、刻印していないと罰金を取られる)

とりあえずセーフ。

うちらのチェック後は一切誰もチェックしていないおっさん。
これは交通システムを把握していないであろうアジア人観光客だけを狙ったものに違いなかった。
前にいた韓国人カップルが不満そうに「Are you japanese?」
と聞いてきたのが何よりの証拠だ。
おそらく彼らもうちらの前にチェックされたのだろう。

完全にアジア人だけを狙ったこの切符チェック。
このおっさんが本物の駅員だったかどうかは分からないが、
思い出すだけでも腹が立った。


6月9日、
めまぐるしく観光しているプラハもついに今日で最終日だ。
今日向かう先は音楽公会堂であるルドルフィヌム。
通称「芸術家の家」。
ここは質の高い現代アートも展示されることでも有名な場所。

ゆっくりと朝を過ごし、トラムと地下鉄を乗り継ぎ着いたルドルフィヌム。
建物自体の造りがかっこ良く、目の前で行われていたプチ遊園地が可愛かった。
着いたのが遅かったのでとりあえず昼食を食べてから中へと入ると、
入り口で待ち構えている係のおじさん。
入ろうとすると止められてしまった。
展示を見たい旨を伝えると、返ってきた答えはまさかの「クローズ」。

周りに何の告知もないことから不安には思っていたのだが、
まさかのクローズはショックだった。
内装を見ただけで終わってしまい、狂う予定。

他に見るものが特になくなってしまったため
とりあえずちょっとショップを巡り、さっき通りかかった時に気になったカフェへ。
こうなったら美術館用に残していたコルナを使い切らないといけない。
入ったカフェは自転車マニアにはたまらないであろうチャリカフェで、
店内には昔のチャリや写真が飾られ、カウンターの席はサドルになっていた。
アイコンも小物も全て自転車に関連したもので揃えられている。
見ているだけで楽しくなるカフェだった。

カフェの後は聖ミクラーシュ教会や、旧市街広場の周りを散策し、最終日も終了。

明日は午前中のバスでドイツのミュンヘンへと向かう。
ミュンヘンで一番楽しみにしているのが、あの城だ。


それでは写真のハイライトで。


古本


ダンシング・ビル


火薬塔





モールと出店




国立マリオネット劇場




ルドルフィヌムと前の広場






チャリカフェ




聖ミクラーシュ教会




旧市街広場

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