ー 6月10~11日 ー
6月10日、
見所満載だったプラハを後にし、
バスで第15ヵ国目となるドイツ、ミュンヘンへ!
ドイツで廻る都市は、
ミュンヘン(2泊)→ケルン(2泊)→ベルリン(5泊)の3都市。
しかも日程を決めた後にミュンヘンに気になる美術館が二つあることが発覚したため、
さらに厳しいスケジュールとなった。
そんなミュンヘン行きのバスは、朝7時発の昼12時到着予定。
宿の前のトラム路線がまだ復活していないため、
乗り換えを考慮して宿を朝5時台に出発することにした。
久々の5時起きに苦戦しながらもなんとかプラハ中央駅に到着し、
駅前から出るバスで無事ミュンヘンへと出発。
朝5時起きのため当然バスの中では爆睡だった。
なのでそんなに退屈する事もなく時間通りミュンヘン中央駅に到着。
バスを降りると中央駅の近くに取った宿でチェックインを済ませ、すぐに外へと繰り出した。
今日のノルマは美術館2つ。
明日はドイツに来た最大の目的、ノイシュバンシュタイン城日帰りツアーに参加するため、
どうしても今日2つ廻っておかなければならなかった。
とりあえずその前に腹ごしらえ。
ところが外に出るとほとんど閉まっているお店。
デパートも商店街もほぼシャッターが閉まり閑散としている。
そっか、、、今日は日曜日か。
相変わらずほぼ全ての店が閉まる日曜日。
奇跡的に営業していた怪しいアジア料理屋で昼飯を済ませて、美術館へと向かった。
今回行く美術館は
「PINAKOTHEK DER MODERNE」と「MUSEUM BRANDHORST」。
(美術館の詳細は世界の美術館巡りで)
向かい合うように建てられているこの美術館はどちらも中央駅から徒歩約20分。
特に機内誌で特集を組まれていた「MUSEUM BRANDHORST」は、
雑誌を見た瞬間これはどうしても見とかないといけない、と思った。
住宅街、団地のような通りを越えてたどり着いた美術館。
まず「PINAKOTHEK DER MODERNE」の大きさと
「MUSEUM BRANDHORST」の外観の美しさに圧倒された。
「MUSEUM BRANDHORST」の外観をチェックすると、
まずは時間のかかりそうな「PINAKOTHEK DER MODERNE」へ。
チケットカウンターに行くと日曜はまさかの一人1€だった。
そのため行列はできていたが、1€とは目を疑うような安さ。
たまたま日曜日に当たってラッキーだった。
荷物を預け美術館を廻り始めるとホントにクオリティーが高いことに驚いた。
作品もモダンアートからプロダクト、インテリアと幅広く、
広々としたスペースにシンプルでスタイリッシュな建物。
コレクションも良い作品が多く、現代アートも面白いものが多かった。
それでもちょい早足だったためか2時間くらいで鑑賞は終了。
外観見学だけに留めておこうかと思っていた「MUSEUM BRANDHORST」も
まだ時間があるためせっかくなので見に行くことにした。
ただいきなりの美術館2つ連続鑑賞はきついため、カフェで一息してから
向かいにある「MUSEUM BRANDHORST」へ。
いざ中に入ると、すごいのは外観だけじゃなかった。
広々とした空間に木のぬくもりが残されたモダンな内装。
それに今回行われいた特別展がまた良かった。
「GEORG HEROLD」に「SIGMAR POLKE」。
特に最上階で行われていた「CY TWOMBLY」の特別展は、
いつまででもその空間にいたくなるような絵画と空間がマッチした気持ちの良い展示だった。
写真が撮れないのがホントに残念なくらい最高の美術館。
ここも1€で見れてしまったことがホントに信じられない。
美術館2つのノルマを達成した後は、ドイツ最大の仕掛け時計がある新市庁舎へ。
地図を見ながら大通りを目指していると、なにやら騒がしい大通り。
見ると歩行者天国と化した大通りは人と出店で溢れていた。
おばちゃんやキッズ達によるダンスショー、カフェにバー、
人気の薄いローラーブレードやプチテニス。
ドイツならではのソーセージ屋台にもテンションが上がる。
地元のお祭りなのか、ユルい雰囲気が反って
美術館のハシゴで疲れた体に心地良かった。
端に置かれていたポスターを見ると、
どうやら昨日と今日の二日間だけのフェスティバルで、今日はその最終日。
偶然にもそんなフェスティバルに当たる事ができてラッキーだった。
とりあえず小腹も空いてきたところで屋台を物色。
もちろんドイツに来たからにはソーセージだ。
ビールは苦手なので、とりあえずポピュラーなソーセージとピザパンを注文。
アツアツの鉄板で焼かれた出来立てのソーセージに
カレー粉とケチャップを混ぜた屋台料理はホントにうまかった。
フェスティバルを堪能し、大通りを越えてたどり着いた新市庁舎。
プラハの聖ヴィート大聖堂にも似た外観は確かに凄かったのだが、
同じようなものを見過ぎてきたせいか感動は薄かった。
市庁舎見学の後は、ミュンヘン一の繁華街であるNeuhauser通り。
日曜日と言えどさすがにここは観光客向けに店は開いているに違いない。
と期待を胸に歩き始めるも、一向に開いた店が見つからないNeuhauser通り。
マジか、、、
ミュンヘンでさえも全ての店が閉まっている。
恐るべし日曜日。
日曜日こそ稼ぎ時、みたいな国は日本とアメリカくらいしかないのかもしれない。
明日のノイシュバンシュタイン城ツアーのために今日は早めに就寝。
6月11日、
今日はドイツ一楽しみにしているノイシュバンシュタイン城ツアーの日だ。
このツアーはリンダーホーフ城→オーバーアマガウ→ホーエンシュバンガウ→
ノイシュバンシュタイン城をバスで一日かけて巡るツアー(英語ガイド付き)。
ノイシュバンシュタイン城は個人で行くにはちょっと難しい場所にあり、
どっちにしろ城の見学はツアーのみなので、簡単で便利なツアーで行く事にした。
集合時間は朝の8時。集合場所が宿の近くのデパート前なのが楽だった。
中央駅のパン屋でランチ用のパンを購入し、早速バスへと乗り込む。
ツアー客のほとんどは中高年の外人で
日本人が結構多いツアーかと思っていたら、日本人は数える程しかいなかった。
まだオンシーズンじゃないのかな。
乗客も揃ったところで時間通り出発するバス。
ガイドの当たり外れが激しいらしいが、今回のガイドは優しく軽快なおばちゃん。
とりあえずは当たったらしい。
おばちゃんの解説が入りながら順調に進むバス。
走り始めて間もなくすると周りは全て緑に囲まれていた。
(ドイツはやたら木が多いような気がする)
そしてガン降りし始める雨。
実は今日の天気予報は雨。
ここ一週間ドイツの天気予報を見ると雨と曇りばかりだった。
もしかしたら梅雨なのかもしれないが、今日降ってもらうわけにはいかない。
ノイシュバンシュタイン城の周りを雨の中歩くのはきついし、
まず晴れた状態の城が見たいし、最悪でも曇りくらいにはして欲しかった。
バスのフロントガラスに容赦なく降り注ぐ雨に、テンションは若干落ちるも、
ここぞという時には晴れてきたうちら。
今回も晴れることを信じてまずはリンダーホーフ城への到着を待った。
間もなく到着という所で、後ろでもめ始めたスペイン人のおばちゃん達。
どうやら城の見学の際のガイドにスペイン語訳がないことが不満らしい。
仕舞にはスペイン語訳がないなら城には行かないとまで言い出すおばちゃん達。
ガイドのおばちゃんも戸惑っていたが、とりあえずスペインババズは自由散策という形で
リンダーホーフ城へ向かうころになった。
バスを降りると雨も止み、曇り空。
もしかしたら城に着く頃には晴れだすかもしれない。
ガイドのおばちゃんによると、
この城を建てたのもノイシュバンシュタイン城と同じルートヴィヒ2世。
元々住んでいた城が気に入らず、自分のためだけの城を造らせたらしい。
そしてこのルートヴィヒ2世が実はとんだ変わり者。
背も高くイケメンなのだが、甘いものの食べ過ぎで歯はないし、
親族以外誰とも交わらず、城には誰も呼ばず、
一人ここで孤独に昼夜逆転の生活を送っていたらしい。
ここでガイドのおばちゃんは一旦バスへと戻り、
城見学後の集合時間は厳守するようだけ告げ、城内の見学へと移る。
リンダーホーフ城の見学は専属ガイドによる前半後半の二組制。
いざ中に入ると、文句を垂れていたスペインババズもしっかりと来ていた。
ここでもスペイン語訳がないことに不満を漏らしながらも結局一緒に廻ることに。
中の装飾はこれでもかと言う程の豪華絢爛さに、
自分のためだけに造らせたのが伝わってくるような部屋の内装だった。
中でも食事のテーブルが地下からエレベーターのように
上がってくる仕組みになっているのには驚かされた。
そこまでして人との交わりを断つとは、
どこまでも孤独な生活を送っていたルートヴィヒ2世。
昼夜逆転の生活、過剰な装飾、美へのこだわり、女性への関心のなさ、
知れば知る程ゲイにしか思えなかった。
(幽閉後、お気に入りの主治医(男性)と共に姿を消し翌日湖で死体が発見されたことからも
その線は濃厚)
リンダーホーフ城の見学も終わり集合時間数分前にバスへと戻ると、
意外にもしっかり戻ってる外人達。
もっと時間には適当かと思っていたが、逆にうちらよりも正確だった。
そんな中、ガイドのアナウンスによりまだ戻っていない人達がいる事が告げられる。
それはガイドも懸念していた、あのスペインババズ。
あれだけ何回も集合時間を告げられていたのにまだ戻ってきていないらしい。
これでバスはスペインババズ待ちの状態となった。
待てども戻ってこないスペインババズ。
集合時間を10分過ぎたところでもう一度アナウンスが入った。
「このまま出発します」
沸き起こる拍手。
結局戻ってこなかったスペインババズ。
ただでさえ時間のないツアー、
ガイドのおばちゃんのナイス判断だった。
お次はかわいい壁画の多い街「オーバーアマガウ」。
ここでは30分くらいの自由時間だったので、ちょっと散策するくらいでバスに戻った。
横を見ると何食わぬ顔で合流しているスペインババズ。
どうやら一つ後ろのツアーバスに乗って合流したらしい。
一切悪いとも思ってなさそうだし、さすがのしぶとさ。
ベテランガイドもプロの笑顔でツアーを続けた。
お次ぎはノイシュバンシュタイン城麓の街へ。
ここではルートヴィヒ2世の父が建てたホーエンシュバンガウ城も見る事ができる。(外観だけ)
途中バスの中からもノイシュバンシュタイン城の姿が見えたのだが、
残念ながら前面は修復工事のためその姿はほとんど隠されていた。
修復中とは聞いていたが、まさかここまでガッツリとは、、、
若干テンションが落ちるも、バスを降りるとついに差し始める晴れ間。
ナイス天気。うちらの晴れ運も力を発揮してくれた。
ここからは再びガイドと別れ自由行動。
各自ランチを取り馬車かバスか徒歩で城へと向かうことになる。
とりあえずうちらは買ってきたパンをかじりつつ、プラプラ散策。
ここで見つけた湖がホントに美しかった。
作られたかのように絶妙なバランスで存在している湖、森、山、空。
もしかしてこれ城より奇麗なんじゃん?(城は修復中だから)
お互いそう思える程ホントに美しい景色だった。
湖の写真をひたすら撮った後はバスに乗りノイシュバンシュタイン城へ。
バスを降りるとまずは絶好のビューポイントである橋へと向かった。
山と山の間に架けられた狭い橋。
そこからの絶景を求め、多くの観光客で橋は溢れていた。
それをなんとか押し分け橋の中央のビューポイントへ。
橋から眺めるノイシュバンシュタイン城。
さっきの湖で満足している場合じゃなかった。
まるで絵本のような世界。
嘘のようにエメラルドグリーンに輝く湖に、嘘のように鮮やかな緑、
そんな場所におとぎの国の城が実際に建っていた。
こんな景色があるなんて、、、
間違いなく城の中ではNo.1。(今まで全然見てきてないけど)
(橋の奥にある立ち入り禁止ゾーンから見る景色はさらに奇麗だった。
登って柵を越えるともうちょっと高い位置から見る事ができる。)
これもルートヴィヒ2世が一人この城を眺めるために造った橋。
毎晩ここからライトアップされた城を眺めていたそうだ。
しかもダイナマイトを使ってここに無理矢理建てたノイシュバンシュタイン城。
それも自分一人のためだけに。(城に住んだのはわずか172日。)
しかも遺言は「僕が死んだらこの城を誰にも見られることのないよう壊してくれ」。
というのだから驚きだ。
もちろん死後はすぐ親族の手で一般公開されたが、
どこまでその権威を使って美にこだわるのか。
確実に王になっちゃいけない人だが、
この人が王になってくれたおかげでこの景色に出会う事ができた。
絶景ポイントからの眺めの後はいざオーディオガイドツアーで内部へ。
金を大量に使った豪華な内装を予想していたら、
リンダーホーフ城とは全く異なる内装になっていて驚いた。
様々な建築や装飾にも詳しかったルートヴィヒ2世。
生まれた環境が王でなければ、アーティストか学者にでもなっていたのかもしれない。
これで今日のツアーは終了。
ノイシュバンシュタイン城以外も満喫できるナイスなツアーだった。
そして明日はケルンへ移動。
ここでの目的は世界文化遺産にも登録されている大聖堂だ。
それでは写真のハイライトで。
フェスティバルと屋台とその周辺
新市庁舎とその周辺
バスからの景色
リンダーホーフ城とその周辺
オーバーアマガウ
ホーエンシュバンガウ
ノイシュバンシュタイン城とその周辺
0 件のコメント:
コメントを投稿