2012/07/14

光の芸術とベルリンの壁





ー 61618日 ー
616日、
今日は中央駅の近くにあるハンブルク駅現代美術館へ。
(美術館の詳細は世界の美術館巡りで)
場所的には駅から徒歩10分もかからないくらいの距離にあるのだが、
入り口の目立たなさ+ポスターの分かりづらさで探し当てるのに30分程費やしてしまった。

あまりの目立たなさに最初はまんまとスルーしてしまった現代美術館。
公園のような入り口を抜けるとやっとその姿を拝むことができた。
白い宮殿のような外観に、入り口のオブジェが印象的な美術館。
現代アートのコレクションが良く、全ての展示を見終わったかと思った時に見つけた
別館の広さには驚かされた。
どうやら元々駅だったものを改築して美術館にしたらしい。

そして特に面白かった展示が
ANTHONY MCCALLの「FIVE MINUTES OF PURE SCULPTURE」。
暗闇の広い空間の中、天井や横から一定の動きをする光が床や壁に当てられている、
というシンプルな展示だ。
それにより光のラインが床や壁に描かれる。
ただ光のラインを見るだけでも十分奇麗なのだが、
室内に薄く張られた煙が光に当たることで揺らいで見えるのがさらに不思議な空間に感じた。
ごくシンプルな内容なのに、最近見た展示ではダントツ奇麗で面白い展示。
これを見れただけでもこの美術館に来た甲斐があった。

美術館の後は、電車でアレキサンダープラッツ駅へ。
ここは宿に帰るまでの経由駅なのだが、何やら出店が多く出ていたので降りてみることにした。
駅を降りると、広場を囲む様に建てられたデパートや巨大なビル。
出店を見ながらプラプラし始めると何やら大勢の人が天を見上げ歓声をあげている。
視線の先には「park inn」と書かれた巨大ビル(ホテル?)。
さらにその文字の横をよく見ると人がぶら下がっていた。

えっ、ここでバンジー!?

バンジーと言うよりは紐で吊るされているだけに近かったが、
広場の真上で繰り広げられるバンジーは見ていて面白かった。

広場に置かれた世界時計を見て今日は終了。


6月17日、
ベルリンと聞いてまず思い浮かぶものと言えば。

壁。

そう、ベルリンの壁だ。

ベルリンについて知っていることと言えばこれくらいだった。
まぁ詳しくは知らないけど。

かつて東ドイツに属していたベルリンをさらに東西に分けていた壁。
(1945年5月8日の第二次世界大戦のドイツの降伏により、
ドイツは米・英・仏占領地域に当たり自由主義を名目とした西ドイツと、
ソ連占領地域に当たり共産主義を名目とした東ドイツに分断された。)

その壁が壊されたのが1989年11月10日。
1990年10月3日に東西ドイツが統一された。

その壁の一部がまだポツダム広場に残されている。
とりあえずベルリンに来たからにはこれは見ておかないと、
ということで地下鉄と電車を乗り継ぎ「potsdamer platz」駅へ。

駅を出ると目の前に4,5枚程の壁が残されていた。
両面落書きまみれで大量のガムが貼付けられている壁。

おー、これがベルリンの壁か、というような思いが湧くこともなく、
薄っぺらくて、高さもさほどあるわけじゃないただの壁。
ホントにこんな薄っぺらい壁一枚で分けられていたのかと思うと、
不思議で仕方なかった。
(知識があればもっとまた違う感動があったのかもしれない。)

実際の壁があるのは現在ここだけだが、
かつて壁があった場所は今もなおその跡が残されている。
今は普通にその場所をまたがって建設されている道路や建物。
かつてはここを境に全く違う世界が広がっていたと思うと感慨深い。
そんな跡を見ながら駅の周辺を散策していると、
巨大なソニーセンターやビル、ショッピングモールなど
あたりはヨーロッパの雰囲気は全く感じないビジネス街。

とりあえずモールの地下にあるアジアファストフード店で昼食を済ませ、
今日の目的地である版画美術館へ向かうことにした。
(美術館の詳細は世界の美術館巡りで)

フィルハーモニーや図書館など、やけに開けた土地にある美術館。
周辺の建物に比べここだけポツンと浮いた印象だ。
美術館も中へ入ると人も少なく、キレイな割にどこか廃れた感じがした。
ここでは版画美術館と特別展を鑑賞。

んー、特に見所もなくあっけなく終わってしまった。

帰り際気になったのが、駅で見かけたAI WEI WEIの映画のポスター。
彼のことはほとんど知らなかったのだが、
中国の現代アートを牽引するかなり有名な先駆者らしい。
ネットで調べようにもその過激な表現や行動から規制がかけられていて、
なかなか詳しくは分からない素性。
そんな彼のドキュメンタリー映画が公開されるというから是非とも見てみたい。
日本でも公開してくれないかな、、、


6月18日、
今日でベルリンも最終日だ。
そんな最終日に向かうのはバウハウス美術館。
ドイツのデザインと言えばなんと言ってもバウハウスだ。
(1919年、ドイツ・ヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校。また、その流れを汲む合理主義的・機能主義的な芸術を指すこともある。by Wikipedia)

地下鉄と電車を乗り継ぎたどり着いたバウハウス美術館。
小さいとは思っていたが中に入ると予想以上にこじんまりとしていた。
(展示スペース自体は2,3部屋しかない。)

この美術館は無料のオーディオを借りて巡るスタイル。
オーディオではバウハウスで行われていた授業や課題の意図、
点・直線・色彩・素材、デザインの模索や各先生の考え方などを聞くことが出来る。
普段オーディオを借りて鑑賞する機会がない分、これはこれで面白かった。
毎日のようにデッサンを描いていた予備校時代、
様々な課題に追われていた大学時代が懐かしい。

美術館に併設されているカフェでまったりした後は
カイザー・ヴィルヘルム記念教会へ。
ドイツ統一を成し遂げたドイツ第2帝国皇帝ヴィルヘルム1世を記念して
1891~95年にかけて建設されたこの教会は、
1943年、第二次世界大戦末期の砲火で一部を破壊されたが、
戦争の悲惨さを伝えるためそのままの状態で保存されている。

しかしいざたどり着いてみると、これが修復っぷりがハンパじゃなかった。
あまりにもしっかりと修復の土台を造り過ぎていて、
何一つ見ることが出来ない教会の外観。
見たかった破壊された状態は、一切外観からは分からなくなっていた。
そのため教会がどこにあるのかさえ分かりづらい程だ。
そんなカイザー・ヴィルヘルム記念教会よりもすごかったのが、
隣に建てられている新しい教会。

八角形の形をしたこの教会に入ると、一面全てが青のステンドグラスになっていた。
特に柄や絵があるわけではなくひたすら青いステンドグラス。
暗い教会内に青く光り輝くステンドグラスはホントに美しかった。

教会の後は再びミッテ地区へ。
初日に気になったお店やその周辺を散策することにした。
ちぃが一目惚れの靴をゲットし、ベルリン最終日は終了。


それでは写真のハイライトで。




FIVE MINUTES OF PURE SCULPTURE






アレキサンダープラッツ





ベルリンの壁とその跡






「potsdamer platz」駅周辺



フィルハーモニーとその周辺






カイザー・ヴィルヘルム記念教会と新しい教会

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