2012/05/03

ゲルニカ





ー 41718日 ー
417日、
昨日の夜は安くてうまい夕食で大満足だったのだが、
外があまりにもうるさくて寝れたのは朝の5時。
宿の周りは全てバーに囲まれているうえ、
部屋の窓にはガラス窓がなくドアもちゃんと閉まらないので外の音がだだ漏れだった。
朝方まで何故か店の外で騒ぐスペイン人。
しかもサッカーの試合があったのか「オ~レ~、オレオレオレ~」の大合唱。
耳栓を着用しなんとか寝付けたが、またしても寝不足だ。
さすがにこのままでは厳しいということで、部屋を内側の窓のない部屋に変えてもらった。

部屋も気分も変えて、マドリード観光2日目スタート。
まず最初はスペインで一番有名な美術館。
15世紀以来の歴代のスペイン王家のコレクションを展示するプラド美術館だ。
中はとにかく広く、全てをじっくり見てたんじゃまず一日かかってしまう。
気になるやつだけじっくり見て、あとはチラ見。
それでも結局全ての部屋を回りきるのには4時間程かかってしまった。
展示のほとんどが宗教画だが、ゴヤやエル・グレコ、レンブラントの作品が見れたのが良い。
美術館内のカフェでランチを済ませ、美術館終了後は主要駅であるソル駅の周辺をプラプラ。
複雑に絡み合う小道を好き勝手進むうちに完全に迷子になった。
観光向けの場所とは違い、地元の人達が行き交う路地裏やオシャレなバー、カフェ。
迷子になるのもまた楽しい。
途中立ち寄ったチェーン店的なカフェもラテが1.5ユーロくらいと安かった。
しかもうまい。マドリードはうまいのに物価が安いのがうれしい。(日本の半分か三分の二くらい)
散々歩き疲れた後は、スペインで楽しみな夕食タイム。
今日はイカスミのリゾット、魚のフリット、サングリア。
これもまたうまかった。
そして夜は部屋を変えたおかげでとても静か。ゆっくり眠ることができた。


4月18日、
今日はマドリードで一番楽しみにしていた美術館。
元々病院だった建物を政府が買い取り美術館に改造した、ソフィア王妃芸術センターに向かう。
うちらがこの美術館で一番見たい絵画がピカソの「ゲルニカ」だ。
地方都市ゲルニカがナチスによって空爆を受けたことを知り、
戦争のもたらす不条理な悲劇を描いた、あのめちゃくちゃ有名な大作「ゲルニカ」。
この「ゲルニカ」がピカソの祖国であるスペインに所蔵されている。
教科書や本では幾度となく目にしてきたが、実物を見るのが楽しみだった。

美術館は宿からすぐ近くだったので地下鉄で一本。
しかもソフィア王妃芸術センターはうれしいことに学生無料だ。
うちらの場合はチケットカウンターで学生証を見せるまでもなく、無料でチケットをくれた。
日本でさえ童顔なうちら。
おそらく海外では高校生くらいに見られているに違いない。
嬉しいような悲しいような、まぁとにかく無料で入れるのはありがたい。

中に入ると、元病院だけあってとても美術館とは思えない造り。
きれいな中庭に、まるでシンプルな王宮のような上品で清楚な廊下。
旧館・新館のギャップもまた良かった。
美術館自体の建築も奇麗だし、コレクションもいいものばかり。
ホントにいい美術館だ。
ゲルニカが展示されている部屋に至るまでには、
制作にあたって描いた多数のスケッチなども展示されていた。
益々ゲルニカへの期待が高まる。
そして、ついにゲルニカが展示されている部屋。
絵の前にはすでに結構な人だかり。

圧巻だった。

モノトーンの色使いにシンプルな描写。
その圧倒的な表現力にむき出しの感情がダイレクトに伝わってくる。
今まで絵画を観てきた中でも感じたことのない感覚。
いつまででも見ていたいけど、見ているだけで胸が苦しくなった。

ピカソはどんな気持ちでこの絵を描き上げたのだろうか、
一枚の絵がこんなにも人の感情を動かす力を持っているとは思わなかった。
まさに天才。
この絵を見れただけでもマドリードに来て良かった。
ホントにそう思える程、こんなに感動した絵画は初めてだった。

ゲルニカを見終わると、一気に疲れも来たのでランチタイム。
美術館内のカフェを探していると、連絡通路で新館に到着した。
さっきまでいた所とは正反対の近代的モダンな造り。
カフェも目を疑う程の近未来的オシャレバーだった。
ランチを終え、新館も満喫。

帰り際にバルセロナ行きのバスチケットを購入し、
宿に戻った。

そして楽しみな夕飯タイム。
今日のお目当ては地球の歩き方にも載っている立ち食い形式のエビ専門店。
「ガンバス・アル・アヒージョ」というエビのたっぷりニンニクオリーブオイル焼きだ。
しかしそれは締めの店という感じなので、先に安いタパスバーに行ってから向かうことにした。
タパスというのは小皿料理のことで、スペインのつまみ的なもの。
バーカウンターの上に様々な種類のタパスが置かれ、日本の小料理居酒屋のような感じだ。
3品程タパスを食べてから、エビ専門店へ移動。
店内に入るとニンニクのいい香りがすでに漂っていた。
早速白ワインとガンバス・アル・アヒージョを注文。

プリプリのエビがアツアツの小鍋に乗せられ、もう見るからにうまそうだった。
食べる前から分かるうまさ。食べたら見た目通りめちゃくちゃうまかった。
そしてワインも進み、調子にノってスペイン風コロッケのコロケタスも注文。
注文すると小さいコロッケのようなものがいくつか出てきた。
カニクリームコロッケのようなちょうどいいとろみに濃厚なエビの風味。
これがまたうまかった。
今日も夕飯大満足。


それでは写真のハイライトで






路地裏


イカスミのリゾット


魚のフリット






タパスバーと今回のタパス


ガンバス・アル・アヒージョ


コロケタス


ナイスシェフ

0 件のコメント:

コメントを投稿