ー 4月24日 ー
今日はいつもより早い朝7時起き。
朝一番、誰よりも早くそこに到着したかった。
それはスペインに来た最大の目的、
未だ完成していない、アントニ・ガウディの傑作「サグラダファミリア」を見るためだ。
2005年にユネスコの世界文化遺産に指定されたサグラダファミリア(聖家族贖罪教会)。
イエスの誕生を表す東側の生誕のファサードと、
イエスの受難を表す西側の受難のファサードからなり、
ガウディが実現出来たのは地下聖堂と生誕のファサード。
1882年に着工し、1926年にガウディが亡くなった今も
彼の意志を継ぎ建築工事はずっと続いている。
ガウディがライフワークとして死ぬまでずっと設計・建築に携わった教会。
この存在を知った時から、いつかこの目で実物を見たいとずっと思っていた。
世界で一番見たかった建造物。
いつか、と思っていた日がついに今日やってきた。
朝9時入場のサグラダファミリア。
8時半にはすでに当日券の行列が出来るというので、朝8時ちょい前に到着する様に宿を出る。
(スペインはネット予約しようとするとカードの段階でなぜかよくはじかれる)
サグラダファミリアまでは地下鉄で約20分。
「サグラダファミリア駅」には分かりやすくサグラダファミリアのアイコンが記されていた。
念願のサグラダファミリアがこの上にある。
期待に胸を膨らませ駅を出る。
振り返るとすでにそれは在った。
人の手で造られているものとは思えない圧倒的な存在感。
気が遠くなる程の細かい彫刻に、設計図はどうなっているのかと思うような有機的な形。
明らかに異質だった。
まるで生き物のようなそのその出で立ちに圧倒されながらも、
一番乗りを目指してチケット売り場へと向かう。
それらしき場所に到着すると期待通りの一番乗り。
ここでいいのかと心配になるほど、人もいなければチケット売り場も完全に閉ざされていた。
そんな心配も束の間、徐々に集まりだした人は30分もすれば3,40人に。
ポケットに手を突っ込み、寒さに耐えながら扉が開くのをじっと待つ。
9時が迫ってきても一向に始まらない入場準備。
ようやく出勤してくるスタッフも結構多い。
さすがスペイン。
9時から入場できるのではなく、9時から準備を開始するのだろう。
時計の針が9時を回ったところで、門が開きやっとチケット売り場の準備が始まった。
グエル公園内にあるガウディ博物館がセットになったチケットと
エレベーターのチケットを購入し、誰よりも早くサグラダファミリアの中へ。
一番乗りにはしゃぎながら、文字がぎっしりと刻印された重厚な門をくぐる。
異次元のような神々しさ。
本当にすごいのは外観ではなく中の方だった。
オフホワイトの壁に吹き抜けで造られた高い天井。
絶妙な色合いで造られたステンドグラスから差し込むカラフルな淡い光。
木の幹のように高く伸びた何本もの柱。
風の谷のナウシカの冒頭シーンが頭に浮かんできた。
建築物というよりもはや自然物。
木や森や葉など自然をモチーフにして造られているのがよく分かる。
あまりの美しさに声も出なかった。
何時間でもここにいられるな、と素直に思った。
9時20分からのエレベーターチケットでサグラダファミリアの上まで登る。
頂上に着くとバルセロナを一望出来た。
間近に見える鳩や木、植物などをモチーフにしたオブジェ。
そしてバリバリの工事現場。
18本建てられる内の10本の塔が未完成なサグラダファミリアは当然絶賛工事中だ。
所々空いた場所から外を眺めながら、長く続いた螺旋階段を下っていく。
下まで降りた後は地下にある部屋でサグラダファミリアの制作過程の展示を見学。
ガウディが残した外観のデッサンや模型、完成予想図や進行の計画など、
サグラダファミリアに関する色々なものが展示されていた。
予定によると、サグラダファミリアの完成は2030年。
この進行具合を見る限りとても無理そうなスケジュールだが、
どうやら生きているうちに完成したサグラダファミリアを見れそうだ。
これから先これ以上に感動する建築物に出会えるのだろうかと思う程
サグラダファミリアは本当にすごかった。
人が造ったものというのが信じられなかった。
ガウディのように完成を見ないまま一生をこれに捧げた人たちがどれほどいたのだろうか。
現在進行形で一生を捧げるような建築物が他にあるのだろうか。
完璧な設計図がないのに、ガウディが残した外観のデッサンや職人さんの伝承などを
もとに各時代の建築家・彫刻家がガウディの構想を推測して進む建設。
一人の構想が国を挙げての事業になる。
アントニ・ガウディの偉大さを改めて実感した。
サグラダファミリアに大満足した後は、そのまま大通りを進んだ先にある「サン・パウ病院」へ。
「サン・パウ病院」は「芸術には人を癒す力がある」という思想から
建築家リュイス・ドメネク・イ・モンタネールが手がけた病院。
現在は老朽化のため閉鎖されているが、外観だけチラ見に。
とても病院とは思えない外観はとても印象的だった。
お昼をパン屋で食べてもまだ時間は昼の2時くらい。
予想より大分早く終わってしまったので、ガウディの作品である「グエル公園」へ行くことにした。
「グエル公園」とは人々が自然と芸術に囲まれて暮らせるという
新しい夢の分譲住宅地として造られたのだが、
結局買い手がつかず現在は市の公園として寄付されたものだ。
そしてここにあるガウディが一時期住んでいた家が、現在ガウディ博物館となっている。
グエル公園までは地下鉄で20分くらい。
しばらく歩いて到着すると、観光客やら現地の人、家族、学生やらでごった返していた。
ガウディのテイストが随所に見られるのはすごく面白く、
天気のいい日にゆっくりするには最高の場所だった。
ガウディ博物館の中は意外に質素だったが、外観が可愛かった。
今日は一日ガウディ巡り。
バルセロナは見所が多い。
それでは写真のハイライトで。
入場待ち&一番乗り(寒い)
サグラダファミリア外観と中
展示
頂上の景色
サン・パウ病院
グエル公園
ガウディ博物館
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