ー11月17~18日 ー
11月17日、
ホントに来るのか不安になりながらも、
デニズリのバスターミナルからなんとか乗ることができたギョレメ行きの夜行バス。
旅行代理店でミニバンを待っている時から一緒だったロス出身のおばちゃんとも、
やっとバスに乗れた事に安堵していた。
予定よりもちょい遅れで出発したバスは、
途中2,3時間おきくらいにトイレ休憩を挟みながらも、
日の出と共にどこぞのバスステーションに到着。
時間的にはそろそろのはずだが、アナウンスもないので、ここがどこなのかが分からなかった。
とりあえずギョレメなのかどうかを運転手やスタッフに確認すると
ギョレメはまだだからバスにいろ、というスタッフ。
ロス出身のおばちゃんもおそらく行き先が一緒なのでこのまま乗ってればいいらしい旨を伝えると、
なぜかおばちゃんはバスを降りて小さなミニバンに乗り換えていた。
しかもうちらのバスが発車するのを見るやいなや、
窓越しにそっちのバスは違うぞ、というのをものすごい形相でアピール。
いやいやいや、おばちゃんこそそっちじゃないから。
と言うには時すでに遅く、
おばちゃんの必死の形相がちぃのトラウマになるだけで終わってしまった。
行き先を尋ねるとカッパドキアとしか言わなかったおばちゃん。
もしかしたらおばちゃんはカッパドキアがこの地域の総称なことを知らなかったのかもしれない。
キノコのような岩がニョキニョキ立つ事で有名なカッパドキア。
俺も最初はこの名前しか知らなかったが、
調べるとカッパドキアは奇岩地帯の総称であることが分かった。
つまりカッパドキアという街があるわけではないため、
奇岩地帯へ行くにはまずその地域に点在する町に行かなくてはならないのだ。
そこで今回うちらが選んだのはギョレメという町。
おそらくおばちゃんは訳も分からず、違う町に向かってしまったのだろう。
おばちゃんと残念な別れをしてからほどなくしてギョレメに到着すると、
明日うちらがツアーでやる予定の気球の姿も見ることができた。
バスを降りるとまずインフォメーションで宿の場所を確認。
インフォのお兄さんは坂がきついからタクシーで行った方がいいよ、と言ってきたが、
そこまで遠くもなさそうなので宿までは歩いて行く事にした。
町を見渡すとすでに奇岩が並んでいるギョレメ。
しかも奇岩がホテルになっている。
これがギョレメで人気の洞窟ホテルであり、今回うちらが泊まる宿も一応洞窟ホテル。
一番安いと思われるホテルを選んだのだが、中を見ると十分奇麗なホテルだった。
しかも宿のおじさんとお兄ちゃんの優しさもかなりのもので、
相変わらずトルコ人のいい人の多さを実感した。
荷物を置くと、夜行バスの疲れと体調不良でそのまま就寝。
昼過ぎに目を覚ますと、ネットで評判の良かったカフェを探しに外へ出た。
お店の名前は「Cafe Safak」。
ただ一つ問題なのは名前が分かっても場所の検討がつかないことだった。
ネットで得られたヒントは「バス停の反対側で川の向こう」ということのみ。
どうせ小さな町だし、すぐ見つかるだろうとなめてかかっていたら、
ギョレメの町がそこそこ広いことに驚いた。
そっか、ギョレメ結構広いんだ。
まぁ、でもなんかこっちにありそうな気がする、
と勘を働かせ向かってみると奇跡的に「Cafe Safak」の看板を発見した。
すげぇ、ホント見つかった!
ってか広いけどギョレメそこまで広くなかった。
ということでカフェに入り、セットメニューとターキッシュクレープを注文。
評判通り良い感じの店内は、フリーWi-Fiもあり、
店員のお兄さんも良い感じでご飯も普通に美味しかった。
食べ終わるとまた宿へ戻り休憩。
今度はどうも俺までのどの調子がおかしくなってきたので、
二人共また眠りにつくと夕飯だけ外の食堂に食べに出かけ、
夕飯が済むとすぐにまた眠りについた。
しかし体調が悪いなどと明日は言っていられない。
明日は朝4時起きでサンライズ気球ツアーに向かい、
それが終わるとすぐさま朝9時からグリーンツアー(カッパドキアの南西部を廻るツアー)が
待っているのだ。
それにカッパドキアで一番楽しみにしているのがこの気球ツアーだ。
奇岩地帯に浮かぶ無数の気球の姿を見るのが楽しみで仕方なかった。
11月18日、
この日はここ最近で最もハードな一日となった。
体調不良と寝不足の中なんとか朝4時に体を起こすと、
朝5時前にはピックアップの車に乗り込んだ。
夜明け前に動き始める車。
しかし問題なのは前が何も見えないことだった。
えっ、何これ。
いやいやいやいや、えっ、霧?これ。
車のフロントガラスから見える風景がひたすら白い。
暗くて見えないんじゃなくて白くて見えなかった。
こんな霧を見たのはもはやマチュピチュ以来。
むしろマチュピチュ超えレベルの濃霧が目の前に展開されていた。
いやいやいやいや、マジで今日気球乗る大事な日なんですけど。
霧が晴れぬまま他のツアー客と合流し、そのまま気球の会場へ到着。
会場に着いた所でバンを降りると、軽食と飲み物が振る舞われ、
その場でツアーリーダーからの説明が始まった。
説明がされる間も辺りはハンパないきりに覆われている。
リーダーからもそのことが話され、この場所では飛べないので
最悪今日は飛べないかもしれないが、可能性のあるもう一つの場所に移動する事が決定された。
この時点で時はすでに朝の6時。
移動を始め、徐々に標高が上がると霧も薄くなってくるのが分かった。
ただすでに日はもう出ているに違いない。
もはやサンライズツアーではなくなっている。
やっと霧が全て晴れ、たどり着いたもう一つの会場。
早速気球の準備が始まり、膨らみ次第気球に乗り込んだのが朝7時過ぎ。
気球に乗っている時間は約一時間なので、
この時点で朝9時にピックアップが来るグリーンツアー
への参加は大分怪しくなってきていた。
グリーンツアーの心配をしながらもついに始まった気球ツアー。
一時は完全に中止と思っていたが、なんとか飛ぶ事ができた。
ぐんぐん上昇していく気球。
下を見るとさっき走っていた場所が霧に包まれているのが良く見える。
まるで雲のように奇岩地帯を覆っている霧。
雲海から顔を出す気球もまた美しいのだが、
奇岩地帯に浮かぶ無数の気球を楽しみにしていたため期待していたものとは大分変わってしまった。
普段は100個近くの気球があがっていることを教えてくれるリーダー。
それを聞くと今日見える気球が3個だけなのが余計悲しくなった。
しかも全部このツアー会社の気球だし。
その後もリーダーは安全に配慮しつつ、高度を上げ下げしてギリギリまで奇岩に近づけてくれる。
まぁ、ほとんど霧で見えないんだけど。
そんな感じで約一時間のフライトを終えると、
地上ではシャンパンの代わりに、似たジュースが振る舞われ、
そのまま参加賞状の授与式が行われた。
時はすでに8時半過ぎ。
完全にグリーンツアー間に合わないわ、と思いながら気球ツアーのスタッフに
この後別のツアーで9時ピックアップがあることを伝えると、
なぜか間に合うから大丈夫みたいなリアクションを返してきた。
まず間に合わないはずだから、仕方なくイスタンブールのツアー会社に電話をしてくれるちぃ。
気球ツアーが遅れた影響で9時ピックアップが難しい旨を伝えると、
グリーンツアーは大手だから遅れたらもう無理だ、
ってか日曜の朝早くに電話してくるなと電話を切られてしまった。
なんて最悪な対応。
絶対大丈夫だから何かあったら俺に電話しろ、とか言ってたくせに。
この最悪な対応にうちらも気分が萎えて、
グリーンツアーはもういいや、体調悪いし帰ったら寝よ。
という結論に至ることとなった。
参加賞状授与式が終わるとミニバンに乗り込み、各ホテルへ。
この時すでに8時40分過ぎ。
おそらくうちらのためにかなりの速度で飛ばしてくれたのだが、
結局うちらの宿に着いたのはピックアップの時間から10分後の9時10分だった。
もうぐったりのうちら。
もういいや、と諦めて朝食を食べにロビーに行くと
まさかの言葉が宿のお兄ちゃんから聞こえてきた。
「ピックアップが9時半からだから、朝食少し食べれるね」
えっ?
9時半!?
いやいや、ピックアップは9時だからとうちらが言うと、
今日グリーンツアーから9時半ピックアップの連絡が入ったと言うお兄ちゃん。
マジか!
あの甥っ子時間曖昧だと思ってたら、ホントに全然把握してなかった。
マジなんなのあいつ。
(ちなみに気球ツアーのピックアップの時間も微妙に違っていた)
急いで朝食をかきこみ、トイレを済ませると、
9時半前に来たピックアップに間に合い無事グリーンツアーに参加出来る事となった。
ということで早朝からバタバタしっぱなしでグリーンツアー開始。
20人程(なぜかこのツアーはアジア人が90%)の観光客とバスに乗り込み移動を開始すると、
まず始めに到着したのがギョレメの見所の一つであるギョレメ・パノラマ。
林立する奇岩が広がることで有名な場所だ。
おー、真っ白。
予想通りもう霧しか見えなかった。
パノラマ感ゼロ。
まだ相変わらずの濃霧状態が続いており、
ガイドも笑いながらギャグで「beatiful」とか言うしかなかった。
あまりの霧の濃さにみんな苦笑いしながら、次に向かった場所は
「Yeralti Sehri Underground City」と呼ばれるカッパドキア最大規模を誇る巨大な地下都市。
かつてのキリスト教徒達が侵略から逃れるために築いた場所だ。
地下8階建ての深さ90m、1万人が暮らせる4万平方キロメートルという広さと
寝室、台所、井戸、学校、大ホールに十字教会など色々考えられた造り。
その生活の大変さに驚いた。
侵入された場合動きづらいように低く設定された階段。
調理場や家族ごとに区切られた部屋。
外からは分からないような空気孔があったり。
ガイドの話ではずっと地下で暮らすのは不可能のため、
何日かおきには外に出ていたはずだろう、とのことだった。
うちらの想像を絶する過酷な生活。
どんな気持ちでずっと地下で過ごしていたのだろうか。
地下都市の次に向かったのはウフララ渓谷。
崖底からの高さは100mぐらいあり、この渓谷の両岸の絶壁を彫って
フレスコ画で飾った教会や住居が14kmにもわたって続いている場所だ。
ここでは軽いトレッキングをしながら渓谷を進み、
途中の洞窟教会を見学したり、大量のアヒルに絡まれたりしながらランチタイムに入った。
ここでもいつも通りのチキントマト煮込みと魚を注文し、
食べ終わると再びバスに乗り込み出発。
次に向かった場所はスターウォーズの撮影地?らしいセリメ修道院。
ここはカッパドキアの初期キリスト教の中心地で、一つの大きな岩山に掘り抜いた礼拝所や
洞窟のような住居跡など、様々な部屋が細い通路で繋がった迷路のような場所だ。
幾つか今日のツアーで廻ってきた中では、ここが一番テンションの上がる場所だった。
まさに奇岩の中に造られた住居。
三角形の尖った岩をくり抜いて造られた特異な形が面白い。
もはやこの造りだと敵にバレるんじゃないかというような場所もあったが、
とてもカッパドキア感を味わえる良い場所だった。
セリメ修道院を見終えると、ツアーで一緒の40代くらいの日本人男性に
ちょっと話しかけてみる事に。
現在旅行のために仕事を辞め、短期旅行を繰り返しているという旅慣れた男性。
インドにも結構滞在していたらしいので、うちらが気にかけている
インド情報を教えてもらう事にした。
分かった事は、
1、デリー空港から市内に入るのが一番の難関ということ。
2、多少はぼられても仕方ないかなくらいの気持ちでいた方がいいということ。
(実際、初めてインドを旅した時には結構色々やられたらしい。)
3、インド人には何があっても物理的な攻撃はしない方がいいということ。
この3の話がとにかく怖かった。
これは有名な話らしく、インド人と口論になったテコンドーの達人の韓国人男性の話。
インド特有のかなり面倒くさく理不尽なやり取りに頭に来た韓国人男性が、
テコンドーで相手のインド人をボコボコにしてしまった。
すると、その日の夜に男が泊まっているホテルにインド人が集団で押し掛け、
その韓国人男性をナイフでメッタ刺しにしたというのだ。
まぁ、とにかくインドは用心するに越した事はない。
隣にいた日本人女性とも軽く話をしながら次に到着した場所は
夕日に染まるとバラ色になることで有名な谷、その名もローズバレー。
もう霧も完全に晴れているので奇岩地帯をパノラマで見れた事が嬉しかった。
最後は謎の宝石店に連れて行かれ今日のツアーは終了。
ギョレメのバス停で下ろされると、
旅慣れた男性と日本人女性とお互いの旅の安全を祈って別れた。
朝から振り回され続け、かなり体力を消耗した一日。
今日も昨日と同じ食堂で夕食を食べると、
まだ体調が優れないので宿に着くなり二人ともすぐ眠りについた。
明日は12時ピックアップで空港に向かう予定だ。
それでは写真のハイライトで。
ギョレメの街並
今回の宿
Cafe Safak
サンライズ気球ツアー
何も見えないギョレメ・パノラマ
Yeralti Sehri Underground City
ウフララ渓谷と洞窟教会
セリメ修道院
ローズバレー
最後の宝石店からの景色
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