ー 12月15~16日 ー
12月15日、
今日でバラナシともお別れ。
朝7時前からいつもの屋上でいつものバナナクレープを食べると、
7時半にお願いしたタクシーに乗って駅へと向かった。
駅は少し離れた所にあるムガルサライ駅。
向かう道の途中では猪まで見ることが出来たり、朝はベランダに猿がいたりで、
バラナシではホントに多くの動物を見ることができた。
しかもナミビアのエトーシャ国立公園にはいないBIG5のうちの一つであるバッファローが
普通に人々と共存していることが驚きだ。
約一時間かけてムガルサライ駅に到着すると、ここからが大変だった。
今回の移動はバラナシ→アーグラ間で予定移動時間は9時間。
朝9時出発でアーグラへの到着予定は18時の列車だ。
遅れることで有名なインドの列車だが、まさかここまでとは思っていなかった。
まず駅についてから電光掲示板を見に行くと、うちらの列車の表示がなかった。
出た、インド、、、
窓口の方を見るとヒンドゥー語で書かれた張り紙に群がる人々。
とりあえず窓口で列車が遅れていることを聞いたり、
掲示板に張り出された大量の張り紙をチェックしたり、
結局掲示板には表示されないままだったが、とりあえず2番ホームにくるらしいことは分かった。
その時すでに時間は9時過ぎ。
これでもし時間通りに列車が来ていて発車していたら、、、という不安もありつつ、
急いで2番ホームに向かうと表示されている列車の番号が違っていた。
マジか、、、
じゃあどこだ。
ってかまだ行ってないよな、、、
急いで駅員やスタッフを探すも一人も見当たらないホーム。
焦りながらも荷物を引きずりホームを行き来すると、
なんとかスタッフルームを見つけることができた。
列車のチケットを見せ何番ホームかを尋ねると、5番だよ、と教えてくれたおじさん。
ありがとう、と言って再び急いで5番ホームへと向かい掲示板を確認してみると、
今度はちゃんと列車番号が合っていた。
とりあえず良かった。
まだ列車は行っていない。
それにしても分かりづらすぎるインフォメーション。
自分の列車を見つけるだけでこんなに苦労するとは思わなかった。
今回うちらが乗る席は3等のエアコン付き3段ベット。
自分たちの場所を見つけると、インド人のおじさんとうちらだけの3人しかいなかった。
よし、これでかなりゆったり座れる。
席に着くとすぐにやってきた弁当売りのおじさんがあまりにもしつこいので、
まだお腹は空いていなかったが、とりあえず一つだけ買うことにした。
結局1時間遅れで列車が走り出すと、あとはのんびり本を読んだりしながら過ごした。
始めは6人部屋で3人しかいないし楽でいいな、なんて思っていたのだが、
ある大事なことに気づいてしまった。
列車が全然動いていない。
かれこれ4時間以上経つにも関わらずほとんど動いていなかった。
本読んだり、昼寝したりして過ごした間に進んでいたのはほんの少し。
遅いな、なんて呑気に考えていたが、これは遅いなんてものじゃない。
試しにiPhoneのマップで現在地を確認してみると、
4時間かけてもまだ30km程しか進んでいなかった。
いやいやいや、それはさすがにないでしょ。
でも今まで間違えたことのないiPhoneさん。
ただiPhoneはネットがないと現在地も分からないはずだ、そんな微かな希望を抱きつつ
恐る恐る現在地を隣のインド人のおじさんに確認してみた。
すると、、、
やはりiPhoneの正解。
iPhoneさんが間違えているはずがなかったのだ。
マジか、、、
今日だけは間違いであってほしかったのに。
となると4時間かけて全行程の10分の1も進んでいないということになってしまう。
単純に考えてこのままのスピードで行くとアーグラに着くのは明後日だ。
まぁでもそんなことはあるわけないし、
最悪でも明日の昼くらいには着くかな、なんて思っていると
次に停まった駅で人の良さそうな4人家族がうちらの前に乗ってきた。
3段ベットに4人来た時点でオーバーだけど、なんとか詰めて座る家族。
他の人達も一切遅延に関してはリアクションしないし、
キツキツな感じで最後まで頑張るしかなさそうだった。
乗り始めてすでに5時間。
あまりの遅さに心配になり、家族のお父さんに聞いてみると、
どうやら4時間以上の遅れらしい。
やっぱり、、、
それでも4時間遅れならばアーグラには夜10時くらいには着くはず。
その後も我慢しながらのんびり列車は進んだ。
10時間も経つと今度はお腹が減ってきてしまったうちら。
何度も弁当売りがやってくると思っていたのに、実際来たのは最初の一度きりで、
あそこでお弁当を買っていなかったら更に空腹は深刻だったに違いない。
弁当売りと大きな駅に停まるのを待ちながら進んでいると、
更に大事なことに気づいた。
列車が全然動いていない。
あまりの遅さに心配になり、ちょっとお父さんに聞いてみると、
今度は6時間以上の遅れらしい。
なにこの聞く度にどんどん遅延が増していくシステム。
それが本当となるとアーグラに着くのは夜の12時。
いよいよ嫌な時間に到着する感じになってきてしまった。
家族とたまに話しながら食べ物を買える大きな駅を教えてもらうと、
いつ発車するか分からない停車時間になんとか買い出しに成功。
ただ買えたはいいが、弁当らしきものは見つからず手に入ったのは
変なサンドイッチが二つだけだった。
味も分からないし、何が入っているのさえ分からない。
それでも限界に達していた空腹を抑えるにはありがたかった。
食べ終わった頃にお父さんから聞かされた今度の到着予定時間は、朝の2時。
マジか、、、
一番中途半端な最悪な時間になってしまった。
もう遅れるのは仕方ないとしてとりあえず10時も過ぎていたし、みんなベッドで寝ることにした。
2時到着予定のため目覚ましを朝の1時半にセットすると、
貴重品が入ったバッグを枕元に置いて、就寝体制に入った。
12月16日、
ウトウトしながらも、右手には目覚ましをセットしたiPhoneをがっちり握り、
ようやく眠りにつく。
それでも眠りが浅いせいか時々目が覚め、その都度時計をチェックしていた。
そんな状態が続く中、何回目かに起きた時に焦りを感じる。
おかしい、、、
まだ目覚ましが鳴らないのか、、、
なんか寝過ぎている気がする。
焦って時計を確認すると、時間は朝の3時。
やばい!!!
到着予定は朝の2時。
最悪だ、乗り過ごした!!!!
電車が止まっていたので慌ててベッドを降り、ドアに急ぐと一人の男性が立っていた。
「ここどこですか!?」
「アーグラだよ、そんな長い時間は停まらないよ」
マジで!!!
奇跡きた!!!
「ありがとうございます!」
良かった!!
まだ乗り過ごしていない。
結局9時間以上遅れたんだ。
慌てて席に戻り、ちぃを叩き起こすと、荷物をまとめて出口に急いだ。
ここで出発してしまったらマジ最悪だ。
この時ばかりは俺の必死さからちぃの目覚めの早さも尋常じゃなかった。
出口に着くとまだ閉まっていたドア。
さっきのおじさんもアーグラで降りるといいながら、まだそこで立っていた。
あれ、、、
もう着いたんじゃ、、、
実は停まっていたのは駅に着いたためでなく、
さっきから線路の途中で無駄に停まっているのと同じパターンだった。
まぁ、でもとりあえずこれでアーグラを乗り過ごさなくて済む。
それからもゆっくり進みながら、アーグラに到着したのは朝の3時半。
結局乗っていた時間は18時間半になった。予定より9時間半の遅れだ。
それにしても疲れた、、、
おじさんと一緒に列車を降りると、
「この時間にタクシーを拾うのは危険だから、朝になるまで駅で待った方がいい」
と言われたので、おじさんと握手をして駅で別れた。
おじさんに案内された待合室で席に座ると荷物を下ろして休憩。
眠いし、疲れたし、椅子痛いしで、ぐったり眠っていたら、
ちぃが男と話している声がして目を覚ました。
時計を見ると時間は朝の5時半。
眠過ぎて何を話しているのかよく分からないが、
どうやらトゥクトゥクの男にホテルまで乗せていくからと迫られていた。
聞くと値段も高いし、怪しいし、違うホテルに行こうとするしで、
二人で断るもホントにしつこい男。
もうとにかく寝させてくれ、トゥクトゥクには乗らない、と言って無理やり眠りについた。
それから寝たのか寝てないのか分からない状態のまま朝の7時を迎えると、
再びやってきたさっきのトゥクトゥクの男。
あまりのしつこさにちょっと笑ってしまったが、
今度は安くするし、違うホテルにも行かないから乗ってくれ、と迫ってくる。
いやいやいや、乗らないし。
ってか違うホテル連れてかないの当たり前だし。
本気で嫌な対応をすると、なんとか男も諦めて帰っていった。
駅でトイレを済ませると、今度はちゃんとしたトゥクトゥク探し。
どいつが良い奴でどいつが変なやつか、これはホントに自分の勘にかけるしかなかった。
駅を出ると近くにいたおじさんが悪い奴じゃない気がしたので、
とりあえずそれに乗ることに。
乗り始めて今回のホテル名を告げると、色々話しかけてくるおじさん。
名前を聞かれたので、俺の名前を教えるとおじさんのテンションが急変した。
「KOTA!!!??? Oh,,, It's dangerous name!!!!」
えっ、何、、
何この展開?
それからコータについて色々話し始めてきたおじさん。
英語もよく分からなかったが、どうやら前にコータという日本人が
ここでいなくなったか、悪いことをして、
アーグラの町中の人達が必死になってコータを探しまわった、ということらしい。
なるほど。
(ネットで調べたら2006年あたりにコータという日本人男性がここで行方不明になっていた)
そんな感じであっという間に今回のホテルに到着。
チェックインを済ませると、朝食を食べて、部屋に入るなり死んだように眠った。
午後1時くらいに目を覚ますと、ランチを食べに外へ。
数多くのトゥクトゥクを無視して道路を渡ると、猿の多さに驚いた。
その数はバラナシの比ではない。
何匹もの猿がのんびりと暮らし、隣を見ればラクダの乗り物。
相変わらずインドは色々な動物が見れて面白い。
プラプラ巡りながらも、ガイドブックに名前だけ載っていた
「Zee CAFE RESTAURANT」を発見するとここでランチを食べることにした。
注文したのはラッシーとたまごカレーと野菜炒め。
日本人や韓国人にも人気らしく、味はそこそこ美味しかった。
食べ終わるとちぃはヘナタトゥに挑戦。
(ヘナタトゥとはヘナという植物の葉っぱから抽出した自然の染料で肌を一時的に染めること)
カフェの壁にヘナタトゥの張り紙があったので尋ねてみると、
やってくれるのはなんとカフェのおじさんの奥さんだった。
しかも案内されたのは完全に家。
子供達が好奇心いっぱいで見守る中、ベッドの上でのヘナタトゥが始まった。
ちぃがやってもらっている間は子供達の英語の教科書を見せてもらったり、
カメラで写真を撮り合ったり、平和なふれあいタイム。
ちぃのヘナもいい感じに仕上がり、子供達とも別れると、
次はちぃのスパを予約するためにアーグラ一の高級ホテル「The Oberoi Amarvilas」に潜入した。
警備が立つ門をくぐりセキュリティチェックをクリアすると、
そこはインドとは思えない別世界。
やばい、奇麗すぎる。
外とのギャップがこんなにある場所は初めてだった。
美しく整えられた中庭を通り中に入ると、スパの予約をしようとしたのだが、
宿泊者以外は受けることができないらしく、空しくホテルを後にするしかなくなってしまった。
そのままホテルを出ようとするとふと目に入ったショップ。
この帰る前に訪れたホテル内の本屋がとても良かった。
置かれているグッズのレベルは高いし、本も良いのが置いてあるし、
感じのいい男性店員はおしゃべり好きで色々なことを教えてくれた。
カースト制度が廃止された今もその名残は大分残っていること。
結婚相手は同じ位の人とでないとならず、それは親が決めるということ。
サリーの着方は地方毎に異なるということ。
インド全体の言語は200種類以上あるということ。
ヒンドゥー語は20種類以上あり、90%は同じでも10%は微妙に違うということ。
他にも色々なことを話したがとても楽しい時間だった。
高級ホテルを出ると、今日はそのままホテルに帰り、
併設されたレストランでディナー。
タンドリーチキンが異様にうまかった。
それでは写真のハイライトで。
いい感じのスタッフとバラナシの猿
アーグラの野猿
アーグラ街並
Zee CAFE RESTAURANT
The Oberoi Amarvilas
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