2013/01/12

ラスト侍 in トルコ





ー 111314日 ー
1113日、
今日でついにヨーロッパを脱出し、中東トルコ入り。
トルコは1週間くらいあればゆっくり見れるかなと考えていたのだが、
これがかなり甘い考えだった。
先に1週間とだけ決めて前後の予定は押さえてしまったうちら。
それからトルコの行きたい場所をピックアップしていったら意外に全ての見所が遠かったのだ。
必須なのはイスタンブール、パムッカレ、カッパドキア。
移動するだけでもそこそこ時間がかかってしまうことが分かり、
移動手順と日にちの配分を考えるとかなりキツキツのスケジュール。
イスタンブール(2泊)→飛行機でデニズリに飛びパムカッレ(1泊)
→夜行バスでギョレメ(2泊)→飛行機でイスタンブール(2泊)となり、
余裕をかます時間等はほとんどなくなってしまった。

イスタンブール行きの飛行機が朝9時40分と早かったため、
朝6時前にはホステルをチェックアウトし地下鉄で空港へ。
カウンターでチェックインを済ませると、飛行機に乗り込みすぐさま爆睡態勢に入った。
そのまま機内食以外は順調に眠り続け、トルコの首都であるイスタンブールには夕方頃に到着。

トルコにはクルージングでも一日上陸したが、
ちゃんと観光をするのは今回が初めて。
あの有名な親日国トルコがどんな感じなのかも楽しみだ。

空港を出ると早速電車とトラムを乗り継ぎ宿へ向かうことに。
トラムの改札がコイン式なのが面白かった。
そのままの状態でいつまででも使用できる分環境にはいいのかな、
もうそろそろ全てカードに切り替わっちゃうみたいだけど。

トラムに乗っていると、俺の目の前に無理矢理入り込んできた怪しいトルコ人の男。
他にスペースが空いているのにうちらの荷物の近くに来たのは明らかにおかしかった。
荷物と男を注意深く見ながらも進み続けるトラム。
しばらくしたところで男が話しかけてきた。

「Are you Chinese?」
「No」
出た、チャイニーズ。
もう散々色んな国で言われてきたけど、トルコでも最初に言われるとは。

「Are you Korean?」
「No」
そっか、次は韓国か。
今はやっぱり韓国人も多いんだな。
ってか、うちらそんな日本人に見えないのか。
むしろこれが今のアジアの勢い順なのかな、

とか、思ったりしながら3番目に聞かれたのがやっとジャパニーズだった。
「Yes」と答えつつもあとは大体シカト。
見るからに信用できなさそうな奴だし、怪しいし、もう胡散臭さがハンパなかった。

結局シカトし続けたところで男は離れ、遠くに座っていた別の男と一緒にトラムを降りて行った。
おそらく二人組だったに違いない。

そんなやり取りの後、ちょっとして今回の宿の最寄駅に到着。
しかし住所を頼りに向かうもそれらしき建物が一切見つからなかった。
何回か現地の人に尋ね、やっと分かった場所は何回も通り過ぎていた場所。
未だかつてない程の分かりづらさでうちらのすぐ近くに建っていた。
まぁ、一応アパートメントタイプだし、夜だし、ということもあるがそれにしても分かりづらい。

なんとか見つけて中に入ると、
「コウタさんですか?遅かったですねー」
とバリバリの日本語が聞こえてきた。

その後も上手すぎる日本語で宿の説明をしてくれるオーナー。
しかも話を聞くと昔住んでいたのがなんと三鷹らしく、
うちらが高円寺ということもあって中央線トークで盛り上がってしまった。

早速トルコ人の日本語に驚かされチェックイン。
夕飯は近くの小さな食堂で本場ケバブとライスをお持ち帰りし、部屋で食べた。
これが初めてトルコで食べるトルコ料理。
あの世界三大料理と言われるトルコ料理がどんなもんか、これから色々味わってみたい。
とりあえず今回のお持ち帰りケバブは普通に美味しかった。

夕飯後はちぃが少し不調のため、一人で水と果物を買いに近くの小さなスーパーへ。
スーパーで買い物をしていると、早速トルコ人に絡まれた。
しかも日本人であることを告げるとテンションが上がるトルコ人。
「You are last samurai!」とか言いながら楽しそうに色々話しかけてきてくれる。
知ってる日本語を嬉しそうに喋り、お互いの名前を聞いたり、
一通り喋ったところで「See you tomorrow」と言って別れた。
その間のやり取りを見ていた店員さんも目を向けるとハイパー笑顔。

なんとなく親日な雰囲気を味わって宿へと戻った。

なぜかうちらの宿の隣の通りで大掛かりな撮影をしているのを気にしながら今日は就寝。


11月14日、
ハンパない音量の歌で目が覚めた。
時計を見ると朝5時。
何やらお祈りのようにも聞こえるが、それにしても音のデカさが尋常じゃない。
ってか、この時間に鳴っていることがすでに尋常じゃない。

とりあえず耳栓をつけて応戦するも、最強の耳栓をもってしても無意味に等しかった。
鳴り終わった所でなんとか再び眠りにつく。

朝起きてからあの音の事をネットで調べると、
あれはイスラム教で一日5回あるお祈りの呼びかけ(アザーン)のうちの最初の一回目。
音の発信源はモスクの塔(ミナレット)にあるスピーカーで、
なんと一回目は日の出前からスタートするらしい。

生活に浸透し、毎日行われる宗教の儀式。
初めてイスラム教というものを生で感じた瞬間だった。
まぁ全然宗教の知識ないけど。

午前中少しゆっくりした後は、今日はちぃの体調が優れないので、ほどほどに観光タイム。

まずは通称ブルーモスクことスルタンアフメット・ジャーミィへと向かった。
スルタンアフメット1世の命により1616年に建造されたスルタンアフメット・ジャーミィは、
装飾用に2万1043枚ものイズニックタイルが使われているオスマン朝建築の傑作だ。

遠くから見ても目立つ6本のミナレット。
中に入ると幾つもある大・中・小のドームが面白いシルエットを作っている。
お~、かっこいい。
ヨーロッパで見てきた教会とは全く違う造りのモスク。
入り口の前に立っていると一人のトルコ人が話しかけてきた。

「こんにちわ。日本人ですか?」
お~、完全にこいつも怪しいけど、今度は日本語できたか。
「そうです」と答えると、日本のどこから来たかとか、トルコはどうだとか聞いてきて
ちょっと話した後に最後に言ってきた言葉が

「何か落としましたよ」だった。

出た。
これがあの典型的なスリの手段、何か落としましたよ、か。
まだ使われているんだな、と思いながらずっとそいつを見てると、
しばらく見つめ合ってから最後には笑って去って行った。
案外良い奴だったのかも。

そんなやり取りを終えると、靴を脱ぎモスクの中へ。
もちろんタンクトップや短パンは禁止されているモスク。
女性であるちぃは更に頭部から黒カーディガンをかぶりそれらしくして中へと入った。

中に入るとタイルの装飾の美しさに圧倒されるうちら。
ブルーモスクと言われるだけあって、華やかな柄の中に青が効いていて美しい。
そして天井から吊るされ円状に垂れるランプが幻想的な空間を作り出していた。

やばい。
これはかっこいい。

あまりの美しさに息をのみ、しばらくその場にしゃがみ込んでずっと天井を眺めていた。
一通り写真を撮ると、今度は男性しか入ることのできないお祈りの間へ。
男だけなのでもちろんちぃは入る事は出来ない。

広間の奥へと進むと熱心なイスラム教徒達が地面に頭をこすりつけお祈りをしている。

そっかこれが礼拝か。
神様のために一日5回もお祈りを捧げるというのは、
一応仏教徒だがほぼ無宗教に近いうちらにとってはどこか遠い世界に感じた。
そんな自分がこの場にいることが申し訳なくなってきて、その場を去ろうとすると
後からやってきた若いチャラチャラした男まで地面に頭をこすりつけお祈りを始めた。
若くても、チャラチャラしてても、やんちゃでも、神様を信じている。
いよいよいづらくなって俺はその場を後にした。

モスクの美しさを十分堪能したので外に出ようとすると、
韓国語でやたらとちぃに話しかけてくる一人の韓国人女性。
どうやらちぃと写真を撮りたいらしい。
一瞬意味が分からなかったが、多分ちぃの黒カーディガンスタイルが決まってたのかな、
ということで話は落ち着いた。

ブルーモスクの後は名物トルコ料理のキョフテを食べに
1920年創業の老舗「Selim Usta」へ。
中へ入ると、さすが人気店だけあって広い店内がほぼ満席状態になっていた。
席に座り注文したのはキョフテとスープとライス。
それと大体どこに行っても勝手についてくるパン。

パンはいつも地味に美味いし、キョフテは棒状の焼き肉ハンバーグといった感じで、
ライスにも良く合ってうまかった。
さすがトルコ料理。
米が主食にくることが何よりうれしい。

キョフテに満足すると、ブルーモスクのすぐ目の前にあるアヤソフィアへ。
アヤソフィアは537年にキリスト教会として作られたものが、
1453年にオスマン朝の首都となったことでイスラーム寺院に姿を変えられた建物で、
近年はモザイク画の修復も進み、2つの宗教が同居する博物館となっている。
ブルーモスクとアヤソフィア、この二つの建築が向かい合っていることが驚きだ。

入場料を支払い中へ入ると、ブルーモスクとはまた全然違った造り。
所々装飾が剥がれた古びた感じと、グレートーンな色合いがかっこいい。
天井から吊るされた無数のライトや、
黒い円盤に預言者代理人の名が描かれた金のアラビア文字も特徴的だ。
しかも更に良かったのは、うちらが入ってしばらくしてから、
消えていたライトが急に点灯し始めたこと。
これは時間によるものなのか良く分からなかったが、
ライトが点く点かないでアヤソフィアの印象はガラッと変わる。

個人的にはブルーモスクよりもアヤソフィアの怪しい雰囲気の方が好みだった。
ちぃはブルーモスク派だけど。

アヤソフィアを見終わったところで、ちぃの体調も考慮し帰ろうとしたのだが、
まだ粘れる、大丈夫だ、と言い張るちぃ。
仕方なくそのまま当初の予定通りもう一つの観光名所である地下宮殿まで行く事にした。

地下宮殿は、実は4~6世紀に造られた貯水池。
全体は縦140m、横70m、高さ8mほどと結構巨大な空間だ。
面白そうなのでとりあえず入ってみると、めちゃくちゃ怪しい地下宮殿。
仄暗い空間に真っ赤にライトアップされた何本もの柱が立っていた。
しかも池の中には何匹もの魚が泳いでいる。
他にも逆さになったメデューサの頭部が柱を支えている箇所があったりと、
実に美しくも怪しい空間だった。

地下宮殿の後は、帰りがけに市場でオレンジを買って宿へと戻り、
夕飯は昨日テイクアウトしたお店へ。
今度はテイクアウトではなく、総菜を選びライスと一緒に食べるスタイル。
二人とも似たようなトマト煮込みの料理を選ぶと、
これがたまらなく落ち着く味だった。

いや~、普通に美味い。
これは毎日でも食べられる味だ。

おかずがあり、ごはんがある。
日本と同じ。ヨーロッパとはまた全く違う食がありがたい。
疲れているちぃもトルコ料理に癒されて、オレンジを食べると就寝した。


それでは写真のハイライトで。












スルタンアフメット・ジャーミィ





Selim Usta














アヤソフィア




地下宮殿

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