2013/01/26

タージ・マハル!!





ー 121718日 ー
1217日、
アーグラに来た唯一であり、インドにきた最大の目的。
それはムガル建築の最高傑作であるタージ・マハルを見ることだった。
ということで今日はついにあのタージ・マハルへ。

タージ・マハルに行くにあたってただ一つ気になっていたのは
インドに入ってからずっと空を覆っている霧だ。
バラナシではガンジス川の対岸が見えなくなるくらいの濃霧だったり、
アーグラでも空が一日中スッキリしなかったり、まだ青空が一日も拝めていない。
このままいったらタージ・マハルも見えないんじゃないか、
と心配していたが、今日外に出ると今までの霧が嘘のように晴れていた。
久々に見える青空。

これは今日行くしかない。

ランチを昨日のカフェの向かいのカフェで済ませると、
ここでもガンナムスタイルが流れていることに驚きながら
タージ・マハルの正門へと向かった。

すると、
「NAKAMURA!!! NAKAMURA!!!」
と後ろで叫びながら近づいてくる少年。

気がつくと、俺のあごひげを触りながら
「これかわいいね~、これかわいいね~、」と笑顔で迫ってきた。

全くかわいくもなれけば、触られること自体初めてだが、不思議と嫌な気がしない。
とりあえずタージ・マハルのチケットを買おうとすると、少年が全て案内してくれて、
係員よりも遥かに分かりやすい英語で禁止されている持ち物の説明をしてくれた。
やるな、こいつ。
名前を聞かれたので答えると、今度は少年の名前を聞いてみた。

答えは「My name is Nakamura」

いや、お前絶対ナカムラじゃないだろ。
俺の名前を教えても結局ナカムラって呼んでくるし、
自分の名前もナカムラとか言うし、その後は自分の店に勧誘してくるナカムラ。

とりあえずこれからタージ・マハル見てくるから終わったら行くよ、
と言うとナカムラは「ナカムラ!!」と叫びながら嬉しそうに帰っていった。

ナカムラに別れを告げるとユルいセキュリティチェックを受けてタージ・マハルの中へ。
(持ち物は最低限のものしか許されないためホントはもっと厳しいらしい)

中に入り、門を越えると早速タージ・マハルが現れた。
整えられた立派な中庭の向こうに堂々と佇む白亜の建物。
霧のない青空に、白いシルエットがくっきりと映えていた。

これぞよく見るタージ・マハルの姿だ。
17年の歳月と2万人の職人を費やしたという
皇帝の偏愛が造り出したムガル建築の頂点であり、世界一贅沢なお墓。

テレビや雑誌でよく見る姿だが、実際この目で見るとテンションが上がった。
これがあのタージ・マハル、、、
まずは定番のタージ・マハルの先っちょを掴むポーズで記念撮影を終えると、
キレイな中園をゆっくりと歩き、靴を脱いで上に上がった。
入り口の前に立つと、あまりの大きさとタイルの装飾の緻密さに驚かされる。
こりゃ2万人必要だわ。
しかもホントかどうかは分からないが、タージ・マハルを造り上げた職人達は、
これ以上良いものを造らないことと技術の流出を防ぐために両腕を切り落とされたらしい。
まぁちょっと信じがたいけど、、、

一通り巡っていると、若い男の子に話しかけられた。
「あの、日本人ですか?」
「はい、そうですけど、、、」

日本語で話しかけてきたから最初は警戒したが、どうも良い奴そうだったので対応していると、
実は5人組のデリーから来た学生だった。
日本語を専攻しているらしく日本人と話したかったらしい。
ちょっと話すとすぐに記念撮影タイム。
5人の内一人一人が交代制でうちら二人と撮影していたが、
カメラの向きを見ると一つおかしなことに気がついた。

完全に俺が入っていない。

どう考えても全部ちぃとの2ショットになっているとしか思えなかった。
しかも5人全員がそんな感じだ。
わざわざ3人で撮っているのに、俺の存在は完全になかったことにされている。
なんだろう、、、この何とも言えない悲しい気持ちは。

いや、これはもしかしたら宗教上の理由で女性と接する機会が少ないからなのかもしれない。
そうだ、多分そうに違いない。
いいんだ、たとえそうじゃないとしても、前を向いて生きていこう。

複雑な気持ちにされたまま学生達とは別れた。
ってか全然学生に見えなかったけど、、、
大体が生え際に問題を抱えている感じだったし。

気を持ち直してタージ・マハルの外に出ると、すぐにあの声が聞こえてきた。

「ナカムラー、ナカムラー!!!」
お~、相変わらず良い笑顔で来るな、ナカムラ。
門を出るなりうちらをすぐに見つけたナカムラは、また俺のあごひげを
「これかわいいね~、これかわいいね~」といじりながら、小さな自分の店に連れて行ってくれた。
しかもナカムラはただの案内係だと思っていたら、気づけば売り手もナカムラ。
店の中に入るなり、日本語で書かれたこの店の紹介文を見せてきた。
紹介文には「プリンスが売る善良店」的なことが書かれている。
プリンスって何だ、と思うと、
「My name is prince」と言ってくるナカムラ。

やっぱお前ナカムラじゃないじゃん。
ってか明らかにプリンスも嘘だろ。
と言ったが、今度はプリンスの設定で通すらしい。

それからはプリンスナカムラの商売トークが炸裂。
あまりの貫禄と板の付きっぷりに正直驚いたが、見た目は子供。
小4くらいだと思っていたら、微妙な差で中2だった。

最後は長いやり取りの末、600ルピーのマグネットを200ルピーで購入。
もはや買わなくてもよかったのだが、ナカムラが面白かったので記念に買うことにした。
外にはお兄さんらしき人もいたが、ナカムラがこの店を回しているのだろうか。
いずれにしてもあの慣れ方は相当小さい頃からやっているとしか思えなかった。

タージ・マハルの後はサイクルリキシャーに乗ってアーグラフォートへ。
アーグラフォートはかつてのムガル帝国の権力と繁栄のシンボル。
第3代アクバル帝によって1565年の着工から完成まで8年をかけて造られ、
その後も代々の皇帝が新たな建築を建てた場所だ。

アーグラフォートまではサイクルリキシャーで片道50ルピー。
たまたま最初に客引きしてきた人がいい人そうだったので、
そのまま彼の言い値で乗ることにした。
彼の名前はラジャ。
見た目通りいい人だった。
混雑する道路を横断するのに手助けしてくれたり、
片道だけお願いしたのに往復100でどうだ、と言いながらお金は最後で良かったり。
片道でとりあえずお金をもらっておかないと、
アーグラフォート後にこっそり違うのに乗って帰る奴もいるかもしれないのに。
それでも俺はここで待っているから大丈夫だ、と真っすぐな瞳で言ってきた。
やべぇ、すげぇ良い奴だ。

オッケー往復も必ず乗るから待ってて、と伝えてアーグラフォートの中へと入った。
アーグラフォート自体は特に感動するような場所も見つからず、
そのまま中を普通に廻ると1時間もかからずに終わってしまった。

出た後はそのままラジャのリキシャーに乗りホテルへ。
途中上り坂は一緒に降りて歩いたり、違う所どっか行かないかとも言われたけど、
ホテルだけでいいんだ、と言うとラジャはそれ以上言ってこなかった。
中にはこういう人もいるんだな。
ホテルに着くと気持ち分だけ渡して、一緒に写真を撮ってから彼とは別れた。

今日もディナーはホテル併設のレストランで食べて終了。


12月18日、
インドに入って以来お腹の調子がよろしくないちぃ。
ここは特に観光する場所もないし、今日は一日ゆっくりすることにした。
朝をゆっくり過ごすと、遅めのランチはまたZee CAFE RESTAURANTへ。

奥の席に座り食事をしていると、ドアの向こうから子供達が覗いてきた。
客がうちらと分かると交代で見に来る子供達。
遊びたそうにしているので、こんなときのために持っておいた折り紙を使って、
「ちぃ先生の折り紙で鶴を折ろうの会」を始めることにした。
始めると早速食いついてくる子供達。
ちぃが和柄の紙を出すと好きな紙を取って一生懸命折り始めた。
じっとちぃの手を見ながら、あとは手伝ってもらいながら、
夢中で鶴を折る子供達。

それにしても雑だ。

5人もいて丁寧な子が一人もいない。
鶴以外には男の子と紙飛行機を作って飛ばし合ったり、
iPhoneのゲームをやらせてあげたり、似顔絵描いてあげたり、
子供達が持ってる友達リストみたいなのに一人ずつ名前を書いたり、
結局男の子が夢中になっていたのはiPhoneのサッカーゲームだった。
しばらく遊んでいると、
明日旅立つなら弁当を作ってあげるから朝取りにきなさい、とお父さんが言ってくれた。
自分の子供達が楽しそうに遊んでいることが嬉しかったのかもしれない。
本当は喜んで朝弁当を頂たいところだが、残念ながら明日の出発時間は朝の5時。
とてもお願い出来る時間ではなかった。

その後も子供達とずっと遊んでいると、
チャイでも飲むか?と言ってきてくれたお父さん。
朝のお弁当の代わりにチャイをおごってくれようとしているのかなと思ったら、
帰りのお会計で二人分のチャイがちゃんと入っていたのが面白かった。
まぁ、仕事だしね。

結局3時間以上長居してしまったカフェ。
こんなに現地の子供達と遊んだのは初めてだった。
会話がそんなに出来ないとしても、折り紙やゲームを通して
こんなに子供達とコミュニケーションが取れたのはすごい嬉しいことだ。
こういう真っすぐ輝く大きな瞳を持つ子供達と絡むと、
日本の子供達も同じだといいなと思ってしまう。

途中お父さんにiPhoneの値段を聞かれたので、800ドルと答えると
すごい驚いた後に、私はそれを子供達に買ってあげることはできない、と
ぼそって言っていたのが印象に残った。

カフェを出ると、すっかり夕暮れ。

今日もタンドリーチキンに感動すると、明日の早朝出発に向けて眠りについた。


それでは写真のハイライトで。




























タージ・マハルとそこからの景色












アーグラフォート




サイクルリキシャー















Zee CAFE RESTAURANTの子供達

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